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西之島噴火3年 測定データを基に海図作製、領海確定へ
小笠原諸島・西之島(東京)が39年ぶりに噴火してから20日で3年となった。気象庁による警戒範囲が縮小したことから、政府機関などは10月に噴火後初めて上陸。今後は約69平方キロ増える見込みの領海確定作業や生態研究が進められる。
西之島は東京から南へ約1千キロ離れた無人島。その沖合で直径約100メートルの新島が確認されたのは、平成25年11月20日のことだった。その後、噴火を繰り返し、今年9月15日時点で面積は2・68平方キロ(東京ドームの約57倍)と、噴火前の約12倍に成長した。
海上保安庁は10、11月の計5日間、測量船「昭洋」(全長98メートル、総トン数3千トン)と航空機「MA725」で、音波やレーザー装置により沿岸の水深などを測定。これを基に海図を作製し、領海を確定する。ただし、台風23号の影響で一部データが回収できなかったため再訪の必要があり、作業は遅れる見通しだ。
海保が撮影した映像によると、噴火でできた陸地は黒い溶岩で覆われ、異様な風景が広がる。旧島部分には、海鳥や虫が生息している様子も確認された。
10月20日には、東京大地震研究所などの研究チームが西之島に噴火後初めて上陸。噴出した岩石などを採取したほか、地震計や海鳥の鳴き声を録音する機器などを設置した。新たな生態系ができるまでの過程を解明する。