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 米国のトランプ次期大統領(70)は20日、新政権の国防長官にジェームズ・マティス元中央軍司令官(66)の起用を検討していると明らかにした。一方、19日には国務長官候補の一人として名前があがっているミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事(69)と会談し、外交問題で意見交換。近く両ポストを発表するとみられる。

 トランプ氏は19日、トランプ氏が経営するゴルフ場にマティス氏を招き、約1時間会談した。20日朝、自らのツイッターで「マティス大将は非常に印象的だった。大将のなかの大将だ」と語り、国防長官の最有力候補であると明かした。

 マティス氏は軍歴44年の元海兵隊大将。イラク戦争などでの戦闘指揮経験が豊富で、「狂犬」の異名を持つ。イランとの核問題の合意に強く反対している。

 一方、トランプ氏は19日にロムニー氏とも約1時間半会談した。ロムニー氏は会談後、記者団に、ポスト就任の打診があったかは明言を避けつつ、「様々な世界情勢に関し、広範な議論を交わした」と強調。「トランプ氏と話す機会が得られて光栄だ。次の政権が誕生するのを楽しみにしている」と語った。

 ロムニー氏は2012年の大統領選の共和党候補。今回の選挙ではトランプ氏を「ペテン師で大統領になる資質も判断力もない」と痛烈に批判して不支持を表明し、対立していた。

 選挙後、ロムニー氏は国務長官候補として浮上。20日にはペンス次期副大統領もテレビ番組で「積極的に検討している」と語った。ただ、米ロ関係の改善を模索するトランプ氏に対し、ロムニー氏は対ロシア強硬派で、外交方針が合うかどうかは不透明だ。

 国務長官候補には、ルドルフ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長やジョン・ボルトン元国連大使、サウスカロライナ州のニッキー・ヘイリー知事らの名前も取り沙汰されている。(ワシントン=佐藤武嗣)