理想の乗り味・乗り心地・燃費への軌跡
目的 | チューニング・カスタム |
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作業 | DIY |
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難易度 | ★ |
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作業時間 | 12時間以上 |
作業日 : 2016年11月20日
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★eco Glider GT+を導入して1年4か月が経過した。62,000kmの走行と1.000回を越える実地検証を通して30型プリウスに眠っている走行性能はかなり引き出して来れたと思う。思い切り走りを満喫して、走行燃費で常時33-35km/L、実燃費でも26-28km/L行くとなれば何も言うことはない。
★しかし純正フルノーマル状態でここまで楽しめるかというと決してそうではない。30型の乗り味・乗り心地はかなりヘタレだ。素人の私でもわかる。50型を売り込むために30型のヘタレ具合をわざわざアピールするくらいだから、トヨタ公認の鉄板ヘタレだ。そして燃費も同様で、普通に走らせてもカタログ値とはほど遠い。楽しめる乗り味・乗り心地を手に入れ、同時にカタログ値の燃費を出すには、基本性能を発揮させるためのチューニングはそれなりに必要だと思う。私もコツコツ弄ってきたが、走行記録1,000回を機に今までやってきたことを振り返ってみたい。
★まず足回りの強化。今から2年前、最初に試みたのが、TRD TF-4 17インチアルミホイールとECOPIA PZ-X 215/45R17 (AAc)、TRD Sportivo サスペンションセット、TRDブレーキパッド"Blue"、そしてTRDドアスタビライザーの導入だった。ツーリングセレクションの足回りは元々スポーツ走行向けのセッティングが施されているが、さらに私好みのゴツゴツした乗り心地に変わった。それまでの切れ味の悪い乗り味からはずっとよくなったが決して満足できるものではなかった。
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★その最大の原因は、ボディ剛性が純正のヘタレなままでサスに追いついていないこと。サスの本来の性能は低い剛性のボディでは決して発揮されず、突き上げ感やテールのロールなどが逆に強調されてしまう。そこで、第2弾として数ヶ月後に導入したのがTRDメンバーブレースキット、CUSCOストラットタワーバー、CUSCOパワーブレースリアエンド、AutoWorldリアラゲッジバーだった。
★これらの効果はてきめんで、上下左右のボディ剛性を固めたことでTRDのサスがしっかり仕事をするようになった。ただ硬いだけの似非スポーツテイストが一変し、どんな路面の変化もきれいに吸収し、オンザレールでキビキビ走る車に変身した。乗り心地を一言で言うと「新幹線」。これには感動した。
★ブレなし、ロールなし、突き上げもなし。オーバーステアもアンダーステアもなく、どこまでもまっすぐに走り、どんなコーナーもスピードを落とすことなく曲がり、止まりたいときに安心して止まる、理想のクルマに近づいた。この辺りから燃費も徐々によくなっていく。剛性固めると硬くなるとか、走りと引き換えに燃費が悪くなるなんて話は、ただ踏み込んで飛ばすしか能のないDQNの都市伝説だ。
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★フロントスポイラー・サイドスカート・リアススカートといったエアロパーツは納車後すぐにModellistaを装着したので、物理的構造物の付加によるチューニングはいったん完成する。乗り味も乗り心地もずいぶんよくなったが、人間いったん上に登るとすぐに満足できなくなるもので、数ヶ月も経たないうちに物足りなくなっていく。
★そこで手を出したのがSEVだ。Dash ON とCENTER ON Cruisingは早い時期から導入していて、それなりに走り味の変化を体感していたのでとかくオカルト呼ばわりされるSEVに対する信頼感は持っていた。
★しかしセットで8万円のStress Blockはさすがに躊躇があった。たまたま立ち寄ったSABの馴染みのSEVアドバイザーから無期限の無料試用を勧められ、装着してみたところ即座に変化を体感。新幹線がリニアモーターカーになったような滑らかでエモーショナルな走りに感動し1か月後に正式購入した。
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★eco Glider GT+を導入したのはその3か月後だ。それまでの足回り・ボディー剛性強化を通して、コースティングによる燃費向上効果を発見しすでに実践していたが、素のままではさすがに疲れる。コースティングに入る微妙なアクセル開度を自動で判別してくれるとあってeco Glider GT+の発売を知ると迷わず購入した。何より「ハイブリッドカーをスポーツカーに」という単純明快なコンセプトが気に入った。
★ちなみに既に存在していた初代eco Gliderは設定がやたらたくさんある玄人向け。その上OBDIIレーダー探知機と共存できない中途半端な製品で、ひょっとして一桁しか売れてないんじゃないかという疑いすらある。とにかく「これは到底自分には無理!」的製品だったため、存在すら忘れていた。
★eco Glider GT+の試行錯誤の中でわかってきたのは、バッテリーレベルを高く保つと同時に、エンジンとモーターの駆動効率を高めることが好燃費の鍵を握っているということだ。いくらスロコンが賢くても肝心のパワートレインが本来の性能を発揮してなければ好燃費は望めない。そこでまたSEVである。発売したてのSEV Engine Tuner でエンジンの燃焼効率を高め、Hybrid PCUでインバーターの効率を高めるのが狙いだ。
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★その狙いは的中し冬場になって冬タイヤに交換してからも引き30km/L前後の走行燃費が普通に出てしまう。これには驚いた。12月の月間燃費が24.7km/L。未装着だった前年12月が19.5km/L。25%もの向上だ。すごいすごいと思っているうちに年が明け、冬タイヤに変えても殆ど犠牲にならない燃費や乗り味も次第に当たり前のことになり、再び物足りなくなっていく。まったくキリがないけど止まらない。まるでかっぱえびせんだ。
★そこで注目したのが吸気・燃調・点火系の強化である。これまでのチューニングは健康的な「性能引き出し」だったが、これは「性能絞り出し」に近い。果たしてどうか?とも思ったがみん友さんたちの評価は高い。快楽欲求は止められず、導入したのがシエクルミニコン、レスポンスリング、NGKプレミアムプラグ、K&Nハイフローエアフィルターだ。
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★みん友さんの勧めもあり同時にエンジンオイルとHVトランスアクスルフルード(いわゆるATF)も交換。一連のチューニング効果は目を見張るものがあり、完全にクルマが生まれ変わった。ATFとプラグ交換を依頼したディーラーのメカニックが施工後の試走から戻ってきて「こんなプリウスには乗ったことがない」と驚いていたくらいだ。
★スロコンのおかげでただでさえワンレベル上がっていたアクセルレスポンスが、さらにもうワンレベル上がった。エコモードが純正のパワーモードに近い感じになり、その後すぐに実施したeco Glider GT+のファームウェアアップデートの検証を兼ねて、春先まではずっとエコモード1本ですませてきたが、走りがよくなればなるほど燃費もよくなる理想の形が出来上がった。
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★春が来て夏タイヤに戻し、いい季節がやってきた。実燃費も冬24km/L、春26km/L、スロコン装着前の110%前後で推移。通勤燃費も冬で27-30km/L、春で32-34km/Lがベンチマークとなった(HSI値)。さらに夏に入りスポーツモードの真価を知ってからは、エアコンフル稼動でも燃費は落ちるどころかわずかながら向上するに至り、まだまだ性能を引き出し切れてないことを知る。eco Glider GT+装着から1年たった7月以降も対前年比110%が継続しているのは単なる学習効果だけではない。まだまだ何かが眠っている。
★そして2度目の秋。トヨタ技術陣が世に送り出したアルミテープチューンである。これまた提灯記者や評論家どもがろくに検証もせず手放しで褒めているので、最初は無視していた。というか試そうにも導電性アルミテープが手に入らない。しかし信頼できるみん友さん達の口コミで、これは試す価値ありとみて何とかテープを入手。やってみたらこれがダイナマイトだった。まずは比較的すぐに入手できた3M AL-50BT で検証。走行フィールの変化も燃費の向上もしっかり確認できた。
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★さらにようやく手に入ったトヨタ純正パーツでその効果は決定的なものとなった。これは今までやってきたチューニングの中でも異次元のものだ。形状がミソだから市販のテープを同じ形に切っても貼れば同じ、という向きもあるが、市販品の手造りでは決定的に真似できない何かがあると思う。トヨタのカイゼン魂は素人がやすやすと真似できるものではない。同じアルミテープでも純正のこれは簡単に解明できない何かが込められている。
★「乗り味」とか「乗り心地」は主観的なものだ。硬い・柔らかい・重い・軽い・滑らか・ゴツゴツ。感じ方も好みも人それぞれだがそれはドライバーが毎日走り込む中で試され体感され作り込まれていくものだ。私は走ること自体を楽しむ方なので、とにかく長時間走っていても疲れない乗り心地と、走っていて気持ちいい!楽しい!クルマを降りたくない!と思える乗り味を求めていろいろやってきた。不謹慎だがこれは不断のエロス追求に近い。男は死ぬまで現役だ (笑)
★その甲斐あって愛車もかなり仕上がってきたし、月に4,000-5,000km近く走り込む中でスロコンをはじめ様々なチューニングを最大限に活かす設定やアクセルワークも身についてきた。8割が高速道路なので大半をコンピュータ任せのオートクルーズだが、コンピュータもドライバーの意思にきちんと応えてくれるようになってきた。月並みな言葉だがこれはまさに人馬一体の走る悦びそのものだ。
★既に型落ちとなってしまった30型プリウスだが、まだまだ性能は眠っている。しばらく楽しませてもらえそうだ(^o^)