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『桐島、部活やめるってよ』やっと資金回収のメドに…拍手わく

『桐島、部活やめるってよ』やっと資金回収のメドに…拍手わく
トークショーに来場しサービス精神旺盛に会場を盛り上げた松岡茉優

 女優の松岡茉優が20日、第26回映画祭TAMA CINEMA FORUM特集上映「松岡茉優 未来を語る」トークショーに来場、自身が注目されるきっかけとなった『桐島、部活やめるってよ』について振り返った。

 前日に行われた第8回TAMA映画賞で新進女優賞を獲得したことを記念して行われた本特集。『桐島、部活やめるってよ』『ちはやふる -下の句-』の上映後には、「桐島~」の佐藤貴博プロデューサーを聞き手にトークショーが行われた。

 この日のチケットは完売。満席の会場を見渡した佐藤が「すごい人気だね。ビックリした」と呼びかけると「でしょ!」とちゃめっ気たっぷりに返答し、会場を沸かせた松岡。「毎回いらっしゃっている方も、今日が初めての方も、今日、この時間を使ってよかったなと思ってもらえるように頑張ります。まずはなれそめから行きましょうか」と一気に語り尽くすと、佐藤が「今日は僕が司会進行というお話だったけど、もう自分で進行しちゃってるね」とクスクス。

 「桐島~」はオーディションで参加したという松岡だったが、彼女の芝居を見た吉田大八監督が「この子はどんな役でもできるし、この映画には絶対に必要だ」とラブコールを送るほどの逸材だったという。松岡が演じた野崎沙奈という役は、4人のイケてる女子グループの一員で、どこか他人をばかにしたような面も備え持つキャラクターだった。「(松岡は女優として)憑依(ひょうい)型というわけじゃないだろうに、この作品の頃は沙奈という役を引きずっていたよね」と指摘する佐藤。共演者の神木隆之介からは「いまだに松岡さんとは敬語でしか話せません」と言われてしまうほどに当時は役になりきっていたという。

 この沙奈という役は多くの人にインパクトを与えたそうで、「(明石家)さんまさんも映画を観てもらって、松岡ってのはすごいなと言っていたし、爆笑問題の太田さんもすごいと言っていた。玄人にウケるんですよね」と証言する佐藤だったが、「できれば素人にも」という松岡のコメントに会場は大笑い。そんな作品評価の高い「桐島~」だが、公開当時はヒットとはほど遠い状態だったといい、「もうすぐようやくリクープ(資金回収)できるところまで来た」と佐藤が報告。会場は拍手で祝福した。

 それだけに今回、第8回TAMA映画賞で新進女優賞を獲得したことはこのうえない喜びだったようだ。「もちろん(『桐島~』が対象となった第4回TAMA映画賞では新進女優賞を橋本)愛が取るだろうなと思っていたし、もちろん自分が賞を取るなんてめっそうもないことでしたが、誰もわたしのことを知らないんだろうなと思っていたので、雪辱のTAMAですね。やっととれました!」という松岡に大きな拍手が送られた。

 「『桐島~』は大きすぎて、逆にすがらないようにしようと思っていた」という松岡だったが、それは吉田監督にとってもそうだったようだ。「吉田監督は、若い人とはしばらくやらないと言っていた」と振り返った佐藤の言葉に、松岡も「たまたま吉田監督とハンバーガー屋さんでお会いした時に、何を作っているんですかと聞いたら、『若い人は使わないから。松岡さんは使わないよ』と言われた」とコメント。しかし佐藤が思い出したように「でも、今度の新作(『美しい星』)には橋本愛ちゃんが呼ばれていたっけ」と付け加えると、松岡は「ホントですか! あれ~」と叫んでみせて会場は大笑い。この日はドラマ「あまちゃん」の入間しおりとして「海はないけど夢はある~」という自己紹介を披露してみせるなど、終始、サービス精神旺盛に会場を盛り上げる松岡だった。(取材・文:壬生智裕)


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