【ソウル聯合ニュース】朴槿恵(パク・クネ)韓国大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)容疑者の国政介入疑惑問題で検察の聴取を受けている金鍾(キム・ジョン)前文化体育観光部次官が、競泳韓国代表の朴泰桓(パク・テファン)にリオデジャネイロ五輪への出場を断念するよう求めていたとする疑惑が浮上した。
朴側によると、金前次官は5月に朴側や大韓体育会(韓国オリンピック委員会)の関係者との会合で、「五輪出場をあきらめれば、企業スポンサーとの間を取り持つが、出場にこだわるなら不利益を与える」と発言した。
2014年9月に国際水泳連盟(FINA)が実施したドーピング検査で陽性反応が出た朴は昨年3月、FINAから資格停止処分を受けた。処分が明けた今年3月、ようやくリオ五輪出場の準備に向け本格的な練習ができるようになったが、大韓体育会は処分終了から3年間は韓国代表になれないとの規定に基づき朴を代表に選出しなかった。
朴はこの規定を不服としてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴。CASが五輪出場は可能との判断を示し、五輪開催1カ月前にリオ行きが確定した。しかし、練習不足で五輪の舞台では出場したすべての種目で敗退した。
朴側は来週初めに、五輪出場の断念を促した金前次官の録音ファイルを公開するとみられる。
金前次官は昨年9月から今年2月までサムスングループに対し、崔容疑者のめい、チャン・シホ氏が事実上所有する社団法人、韓国冬季スポーツ英才センターに約16億ウォン(約1億5000万円)を支援するよう強要した疑いで捜査を受けている。朴政権で最も長く次官を務め、「体育界の皇太子」と呼ばれていた。一連の疑惑が浮上したことを受け、10月末に辞任を表明した。