【コラム】崔順実事件を嗤う中国人、嗤えない中国知識人

 韓国をあざ笑うことに忙しい中国の一般市民とは異なり、知識人は崔順実事件に韓国の市民社会に内在する優れた点を発見した。しかし、それが韓国人にとって慰めになるわけではない。我々は中国知識人が発しない厳しい質問を自分たちに投げかける必要がある。

 「なぜ韓国メディアは崔順実グループの仕業をもっと早く察知できなかったのか」

 「なぜ韓国の検察は権力から独立できなかったのか」

 「広場では一流市民の韓国人が個々の立場ではなぜ不正と癒着にブレーキをかける良心的な内部告発者になれないのか」

 先週末光化門はろうそくを手にした市民で埋め尽くされた。1987年に大統領の直接選挙制を求めて起きた「6月抗争」で通りを埋めた人々が今回は子ども連れで再び街頭に立った。彼らの怒りが世論を裏切った大統領の去就を決定できるのだろうか。どんな結果が出るにせよ、韓国人それぞれは3つの質問の答えを探さなければならない。

 崔順実グループに対する沈黙のカルテルがどのように形成され、それが韓国社会の監視、批判、内部告発機能をどうやって長期にわたりまひさせたのかを解明しなければならない。根本的で骨身にしみる反省とその後の変化を通じ換骨奪胎しなければならない。さもないと、30年後に再び光化門でろうそくを手にしなければならなくなるかもしれない。

 崔順実事件は起きないに越したことはなかった。しかし、こうなった以上は韓国人一人ひとりが民主的価値に忠実な市民になり、よりよい民主的システムを構築する契機とすべきだ。それが崩壊した国の品格を早期に立て直す道だからだ。

北京=李吉星(イ・ギルソン)特派員
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