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「アンカレッジ」なぜ聞かなくなった? 日本に縁深かった空路の要所、その「いま」

乗りものニュース 11/20(日) 14:00配信

アンカレッジはいま、どうなっている?

 いまのアンカレッジ国際空港で見られるのは、「フレイター」と呼ばれる貨物機の数々。日本からは、日本貨物航空の747-400Fや747-8F型機が、アメリカのダラスやシカゴ、ニューヨークへ向かう便で寄港しています。

 貨物機として使われる大型機は目的地まで直行できる能力を持ちますが、フレイターは貨物を運ぶことが目的のため、一度にできるだけ多くを運ぶことが求められます。最初の搭載燃料が少なければ、その重量分だけ多くの貨物を積んで出発できるため、途中で燃料補給したり、あるいは貨物の目的地まで飛ばずハブ空港間だけをつないだり、といったほうが目的にかなっているのです。

 アンカレッジ国際空港は、世界的にも貨物取扱量が多く、香港、メンフィス(米・テネシー州)、上海に続いて世界第4位の実績を誇ります。同空港は北半球における9割のエリアへ9.5時間以内にアクセスできる便利な立地にあるほか、24時間運用されていることもあり、理想的な貨物拠点だといえます。

 一方の旅客ですが、たとえばJALは、いったんアンカレッジを経由する旅客便の運航を廃止したものの、2002(平成14)年からは夏季に、その翌年からはオーロラ鑑賞を目的とした観光客が集まる冬季にも拡大して、約10年のあいだ、毎年アンカレッジ行きのチャーター便を運航していました(現在は同じアラスカ州のフェアバンクス便のみ)。

 アンカレッジへ日本からの定期直行便はなく、旅客利用では廃れ始めているのではないかと思ってしまうかもしれませんが、2015年度の旅客実績は約540万人とまずまずの印象。海外からは季節運航便が、定期便としては主にアラスカ州内や米国内の各都市とを結ぶ路線が運航されています。

 ターミナル建物の開発や工事も進められています。ターミナル内には昨年、世界的コーヒーチェーンの支店がオープンし、今後は寿司やアジア料理のレストランが開店する予定もあるようです。また、航空機の駐機場が見渡せるラウンジが新しくリニューアルされるなど、旅客に向けた改善が見られ、今後の動向が気になる空港です。

 ちなみに、同空港に隣接するフッド湖は1日平均190便を扱う、世界でもっとも忙しい水上飛行機の発着場。飛行機好きにはたまらない場所といえるでしょう。

宮下裕子(航空&旅ライター)

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最終更新:11/20(日) 19:21

乗りものニュース