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【激震・朴政権】
朴槿恵氏、世論を黙殺して公務活発化 横領事件の捜査命じる反転攻勢も
【ソウル=名村隆寛】韓国世論の強い退陣要求にも関わらず、朴槿恵大統領は退陣の素振りも見せず、国政運営を再開させている。「法」を盾に、当面の難局をしのぐ考えのようだ。
朴氏は16、17日に外務省と文化体育観光省の次官人事を発表。18日には8日ぶりに姿を現し、大統領秘書室長や新任大使に任命状や信任状を授与。12月に東京で予定される日中韓首脳会談への出席意思も明らかにしている。22日の閣議主宰も検討しているとされる。
朴氏のこうした動きを、韓国メディアは「反転攻勢」ととらえている。全メディアを敵に回し、世論の9割が不支持で退陣を要求しているのに、朴氏はこれを黙殺している。朴氏側が退陣に言及せず、強気に出ているのは、朴氏の法律違反が現時点で確認されていないというのが理由だ。
朴氏側は、検察が求めていた18日までの事情聴取を「(崔順実容疑者らの)疑惑を全般的に調査した後が望ましい」とし、20日に予定される崔容疑者らの起訴前の事情聴取を回避した。また、退陣は事情聴取など捜査を受けた上で判断すべき問題と認識している。