日本経済はバブル崩壊後に約20年にわたって停滞を続けている。こうした停滞期は「失われた20年」とも呼ばれるが、それでもなお日本が「アジア随一の先進国」であることは中国人にとって不思議に思えることのようだ。

 中国メディアの中億財経網は16日、日本経済は非常に長期にわたって衰退し続けているのに、「なぜ今でも先進国であり続けられるのか」と題する記事を掲載した。

 記事は、日本が先進国であり続けるのには「2つの理由がある」と紹介。1つ目は、先進国か否かを図る指標は「経済面だけではない」ことだ。例えば国民生活の豊かさを示す人間開発指数(HDI)は、経済、社会、教育などの多方面に基づいており、「すでに発展した社会インフラや教育、福祉の水準が短期間に大きく後退することはないため」と説明した。

 2つ目は、「日本経済の衰退という言葉が間違っている」ことだ。バブルが崩壊したと言えども、経済の大幅な衰退は1995年から1998年の3年間だけで、その後は波があったものの、2000年を過ぎた後の数年はプラス成長を実現していたと指摘。日本経済は高度成長期のような勢いがなくなっただけで衰退とは言えず、実際には「今でも発展している」と論じた。

 さらに記事は、日本経済はすでに成熟の域に入ったと分析。バブル崩壊後は銀行や企業の倒産が相次いだものの、「10年以上の時間をかけて大きな代償を払いつつも負の遺産を清算した」とし、かつては先進国で最も労働時間が長かったのが今では平均にまで短縮したことや、国内総生産(GDP)はこの20年間で大きな変化はないものの、「経済構造はさらに健全になり、国民の生活の質は高くなっている」と評価した。

 先進国の定義はそもそも曖昧であり、先進国か否かの基準はGDPだけでないのは明白だ。記事の指摘のとおり、人間開発指数や国民生活の質など、先進国であるかどうかを判断するには複数の指標を総合して考える必要がある。中国では自動車や高層ビルなど国のハードの部分で国の発展を判断する人が多いようだが、教育水準や国民の民度など「社会全体の成熟度」も先進国であるうえで重要な要素と言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)