CG動画は細かな動きの全てを表現する必要があるのでしょうか?
今回は「Science CG動画の見積もりを安くする方法」という観点から、動画を使った視覚的研究発信について書いてみました。

そもそも動画制作は、その尺や盛り込む表現内容によって値段が大きく変動します。
特に複雑なアニメーションは制作に時間を要し、¥100万を超えることがあります。

その場合,「動画を通して伝えたい部分」のみをアニメーションにし,それ以外は単純な静止画の切り替え表現に代替するという取捨選択の方法が出てきます。言い換えれば,研究者皆様が持つ新規性や強みの部分にアニメーションの焦点を合わせるのです。

 

例えば、こんなケースがあるとします。

  • ある薬剤分子は既に治療への有効性が示されているものの、合成効率が低く製造に資金的・時間的コストが掛かるのが問題であった。
  • 効果的な触媒によって薬の値段が安くなれば、多くの患者に薬を届けることに繋がる。
  • そこで大学で触媒化学の研究をしているA教授は、その薬剤分子を従来の10倍の効率で合成できる触媒の開発に着手し、世界で初めて成功した。
  • この成果を今後学会やメディア向けに使えるような、見栄えのする40~50秒のCG動画が欲しい。丁度年度末で余った研究予算を使いフルアニメーション動画を依頼しようと考えた。
  • 予算は¥50万

 

動画製作を依頼するため、だいたいの動画の流れを箇条書きにすると下図のようになります。

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この時点でまず考えられるのは、40秒~50秒のメディア発表向け動画を50万円で制作するのは難しいということです。¥3~4万円/秒で見積もりが計算される場合、最低でも¥120万になってしまいます



この場合,この研究の新規性は「触媒を使うと高い効率で薬剤分子が合成できること」です。「細胞への作用機序を発見した」とか「副作用が少ない薬剤が合成できた。」ではありません。

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また後半の部分(生体組織の反応~疾患部位に作用)は既に既知の内容であるため,複雑なアニメーションで表現することに大きく影響力を持ちません。

 

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アニメーションは製作が複雑かつ,時間が掛かる作業のため費用がかさむ傾向があります。
それならば今回の後半の部分は「クオリティーの高い静止画を複数作り,その切り替えで示す」とすると予算に収まる範囲になっていきます。画像の切り替えであれば、動画編集ソフトで簡単に設定できるため費用を安く抑えることができるのです。

 

 

研究の世界は幅広く、強みもそれぞれ異なります。それゆえ、その都度最適な制作条件を探ることが大切です。

弊社では、お客様の研究内容・予算に合わせた制作を検討することを第一にしております。
制作の御検討の際は、お気軽に相談ください。