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 2020年東京五輪・パラリンピックに関して頻繁に耳にする「レガシー(遺産)」という言葉。会場の見直しを提言した東京都も、計画通りに新設会場を求める競技団体や選手も「レガシー」を強調するが、向いている方向は正反対だ。17日に発表された「流行語大賞」の候補にも入ったが、一体、レガシーって?

 「五輪のレガシーをつくる」。そもそも、これから出来るものをレガシーと言うことに、何か違和感がある。研究社の新英和大辞典で「legacy」を引くと、「祖先の遺物、遺産:過去から受け継いだ物」とある。これから構築するのなら「財産」と表現するべきではないのか――。

 こんな素朴な疑問を、国立国語研究所にぶつけてみた。同研究所の柏野(かしの)和佳子准教授によると、「未来のレガシー」のように、将来に発生して後世にも影響を及ぼすものを「レガシー」と表現する日本語の用法は辞書にないという。

 「東京五輪をきっかけに、『レガシーを残す』『レガシーを築く』といった用法が増え、新たな語釈が辞書に記載されるのではないか」と柏野准教授は指摘する。

 国際オリンピック委員会(IOC)は02年の総会で五輪憲章に「レガシー」を盛り込んだ。「開催都市や開催国で引き継がれるもの」で、インフラや文化、国威発揚なども含まれる。

 東京五輪ではどうか。都が出し…

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