WHO ジカ熱の緊急事態宣言解除も引き続き対策を

WHO ジカ熱の緊急事態宣言解除も引き続き対策を
南北アメリカや東南アジアで感染が相次いでいるジカ熱について、WHO=世界保健機関は実態の解明が進んだとして、ことし2月から出していた緊急事態の宣言を解除しました。しかし、感染の拡大が長期化し、今後は季節ごとに流行する感染症になるおそれがあることから、引き続き、対策に取り組むよう呼びかけています。
蚊が媒介して感染するジカ熱は、去年5月ごろからブラジルなど中南米を中心に感染が広がり、WHOはことし2月、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に当たると宣言しました。

これについて、WHOは18日、電話で記者会見し、妊娠中の女性が感染すると頭部が先天的に小さい小頭症の赤ちゃんが生まれるおそれがあることなど、実態の解明が進んだとして、緊急事態の宣言を解除すると発表しました。

しかし、ことし8月にシンガポールでも感染の報告が相次ぐなど、感染の拡大が長期化していて、デング熱などと同様に、ジカ熱が今後、季節ごとに流行する感染症になるおそれがあることから、WHOは引き続き、蚊に刺されないための対策に取り組むよう呼びかけています。

電話で記者会見したWHOの担当者は「ジカ熱と小頭症との関わりが明らかになり、感染拡大の防止だけでなく、生まれてきた子どもの支援など長期的な取り組みが必要であることがわかった。数年単位の対策が求められ、警戒のレベルを落としたわけではない」と話しています。