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【経済裏読み】「三木谷構想」が吉 プロ野球で進むボールパーク化、来季は楽天、DeNAが躍進?

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【経済裏読み】
「三木谷構想」が吉 プロ野球で進むボールパーク化、来季は楽天、DeNAが躍進?

コボスタ宮城のレフトスタンド後方にある観覧車。球場のランドマークになっている(土谷創造撮影) コボスタ宮城のレフトスタンド後方にある観覧車。球場のランドマークになっている(土谷創造撮影)

 ボールパーク構想を推進する中心人物が三木谷浩史オーナー。顧客の満足度を上げるという考えが根底にあるのはもちろんだが、もうひとつ、プロ球団、クラブを所有する経営者としては当然ともいえる信念がある。それは「経営状態がチームの勝敗に左右されてはならない」。球場が楽しい場所だとわかれば、ファンは勝ち負けに関係なくリピーターになってくれる。今季、楽天は5位だったが、入場者数は昨季より約10万人も増え、162万1千人。アップは6年連続。「三木谷構想」は確実に理想に近づいている。

 今季初めてクライマックスシリーズに進出したDeNAは今季、前年比5・4%増の193万9千人を集めた。プロ野球参入1年目の24年は116万6千人。まさに右肩上がりだ。ことし1月には本拠地横浜スタジアム(横浜市)の運営会社をTOB(株式公開買い付け)で傘下に収め、それまで制限されていた球場でのグッズや飲食の販売、企画も自由にできるようになった。珍しい例が、球団オリジナル醸造ビールの販売。これを目当てに観戦に訪れるファンもいるという。そのほか、イベント開催やバラエティーに富んだシートの設定など、こちらもファンを楽しませるアイデアが盛りだくさんといえる。

 ボールパークの成功例で最も有名なのが広島のマツダスタジアム(広島市)。21年にオープンすると、きれいで明るい雰囲気や寝そべったり、バーベキューを楽しんだりしながら観戦できる34種類にものぼる座席、充実したグッズショップがうけ、女性ファンの「カープ女子」が現れるほどの社会現象を呼んだ。今季、2年連続で入場者数200万人突破を達成。27年の売上高148億3千万円、最終利益7億6千万円は過去最高。豊富な財力は戦力補強の充実につながる好循環が25年ぶりの優勝につながったといっても過言ではない。

 広島のサクセスストーリーに続きそうな楽天とDeNA。DeNAにはいまや球界を代表する打者に成長した筒香、楽天は茂木、釜田ら楽しみな選手が多い。ボールパークに集まるファンが後押しになれば、躍進する可能性は高い。

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