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【ゴルフ】

勇太VS谷原 バチバチ賞金王争い

2016年11月20日 紙面から

◇ダンロップフェニックス<第3日>

 ▽19日、宮崎市、フェニックスCC(7027ヤード、パー71)▽曇り一時雨、22・6度、西1・5メートル▽賞金総額2億円、優勝4000万円▽63選手▽観衆2715人

 賞金ランク1位と2位につける谷原秀人(38)=国際スポーツ振興協会=と池田勇太(30)=日清食品=が激しいつばぜり合いを展開している。谷原はこの日、4バーディー、ボギーなしのラウンドで通算9アンダーとし、前日の5位から1つ順位を上げて4位。前日首位に立った池田は4バーディー、1ボギーで通算10アンダーの3位。2人の獲得賞金の差は864万6667円。池田が谷原を上回れば順位次第で一気に逆転も可能な差。最終日に向けて、2人の戦いはさらにヒートアップしていく。

7番でティーショットを放つ池田=宮崎・フェニックスCCで(市川和宏撮影)

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◆勇太3位 首位陥落も「内容悪くない」

 スタートダッシュに成功したのは池田だった。1番から8番までに3バーディーを奪い、ケプカらとトップグループを形成し、賞金王争いのライバル、谷原との差を広げた。しかし9番でこの日唯一のボギーを打つと、後半はバーディーパットをことごとく外し、もどかしい展開となった。

 「(同組の)ケプカがすごい勢いでバーディーパットをいれていたのに、こっちはまったく入らなかった。もったいなかったけど、ゴルフの内容は悪くないから」。その表情に前日までの暗さはない。痛めている左肩はこの日の朝から好転。状態は相当によくなっているという。ラウンド中のアイシングの数も減った。けがさえよくなれば、世界に通用するショットの実力を見せられる。

 「池田はすごい選手だ。ドライバーもアイアンも素晴らしい。すべてピンに向かっていく。人間的にも尊敬できる選手だ」。世界ランク21位、ことしのライダーカップの米国代表にも選ばれたケプカも絶賛した。そのケプカにはこの日5打差をつけられた。最終日も、最終組でケプカと戦うことが決まった。このまま引き下がるわけにはいかない。

 「18ホール攻めて、4日間で一番いいゴルフをします。日本の大会なんだから、日本人選手の実力を見せないといけない」と池田。視線の先にあるのは、もちろん頂点。2010年大会の覇者が、日本人選手の意地にかけて、ケプカをつかまえにいく。 (青山卓司)

15番でバーディーパットを沈めた谷原=宮崎・フェニックスCCで(市川和宏撮影)

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◆谷原4位 雷中断…再開後流れ変えた

 谷原は焦らず、動じず、我慢していた。序盤から逸機を積み重ねながらも「パットが入らんかったらしょうがない」。6番で1打目を放つと、雷雲接近で1時間10分の中断。クラブハウスに戻ってたこ焼きと焼きそばを食べ、仲の良い後輩の藤本と談笑して待った。

 6月の全米オープン初日に3度の中断を経験。「(中断は)まったく気にしない。気持ちは大ベテラン」だ。緊張の糸を張ったり、緩めたりはお手の物。プレー再開を知らせるフォーンが反攻の合図だった。

 8番で5メートルを沈めて初バーディーを奪った。13番では2打目をピンそば10センチにつけるスーパーショットを披露した。15番は残り170ヤードの2打目を1メートルに寄せ、続く16番では5メートルのねじ込んで、きっちり好スコアを引き寄せてみせた。

 首位と6打差。賞金王を争う池田とは1打差。ともに追う立場とあって、谷原は「明日は(スコアを)伸ばすだけなのでやりやすい。下を見てもしょうがない。上を見続けていかないと」。遠慮は無用。最終日の仁義なき戦いに、広島男児が打って出る。 (松岡祐司)

 

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