駆け付け警護付与 南スーダンへ自衛隊部隊出発

駆け付け警護付与 南スーダンへ自衛隊部隊出発
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安全保障関連法に基づく「駆け付け警護」などの新たな任務が付与された、陸上自衛隊の部隊の先発隊が、南スーダンでのPKO活動に向けて、20日に青森空港を出発しました。
出発したのは、南スーダンでPKO活動にあたる陸上自衛隊の11次隊の先発隊およそ130人です。
隊員たちは午前8時20分ごろ青森空港にバスで到着し、家族が両脇に並んで見送るなか、列を作って建物に入りました。そして午前10時すぎに、家族などが送迎デッキから手を振って見送るなか、隊員を乗せた飛行機が飛び立っていきました。

今回派遣される部隊には、安全保障関連法に基づき、襲撃された国連スタッフなどを救出する「駆け付け警護」と、宿営地が襲撃された場合に他国の部隊とともに守る「宿営地の共同防護」の任務が新たに付与されました。

先発隊は日本時間の21日、南スーダンに到着することになっていて、残りの隊員も来月にかけて派遣されることになっています。

娘の夫の見送りに訪れた、青森県つがる市の60代の女性は「派遣されると初めて聞いたときは驚いた。これまでとは違う形になるが、とにかく無事に帰ってきてほしい」と話していました。

11次隊のおよそ350人は、来月中旬からおよそ半年間、首都ジュバを拠点に道路整備などにあたる予定で、来月12日には現地部隊の指揮をとる権限が10次隊から11次隊に移され、新たな任務の実施が可能となります。
「駆け付け警護」など安全保障関連法に基づく新たな任務を付与された陸上自衛隊の11次隊は、3回に分けて順次南スーダン入りします。

20日に出発したのは、先発隊のおよそ130人で、今後は今月30日に主力部隊の第1陣およそ120人、来月14日に第2陣のおよそ100人が現地に向けて日本を出発します。

「駆け付け警護」と「宿営地の共同防護」の新たな任務は、現地部隊の指揮をとる権限が10次隊から11次隊に移される来月12日から実施できる状態となります。

南スーダンでは、ことし7月、首都ジュバで政府軍と反政府勢力が衝突し民間人にも死傷者が出るなど治安が悪化していて、国連は市民の保護を強化する姿勢を示しています。

駆け付け警護の任務は、各国でつくるPKO部隊のうち一義的には「歩兵部隊」が担いますが、「施設部隊」である自衛隊も道路整備の活動などの際に近くで襲撃事件が起こり、自衛隊しか緊急に対応できない場合など、限定的ながら実施することが想定されます。

また、宿営地の共同防護については、ジュバで大規模な武力衝突が発生した2013年12月に、実施しなかったもののPKO部隊の司令部から求められていたことがわかっていて、11次隊は現地に到着したあと調整を行ったうえで、他国の部隊と共同防護の訓練を行うことにしています。