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ゴトーのブログ

プログラミングを学習したり、スポーツやゲームや漫画などの三度の飯より好きなことを語ったりするブログです。

「怪物」井上尚弥とはどんなボクサーなのか?2016年末の試合やロマゴン戦についても紹介!

スポーツ 格闘技
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どうも、ゴトーだ。

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俺は三度の飯よりボクシングが好きでな。
WOWOWを契約していた頃は毎週エキサイトマッチを録画しては寝る前に見ていたものだ。

お気に入りのボクサーはポール・マリナッジだ。
あのソフトなパンチとクイックな動きがたまらねえぜ。

井上尚弥とは

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現在の日本ボクシングにおける2大スター選手といえば井上尚弥と井岡一翔だ。

この二人は非常に共通点が多い。
身長や体重もほとんど同じだし、親子鷹でボクシングをしてきたこと、アマチュアのエリートであること、テレビ局に推されて有名になったことなどがあげられる。

二人のボクサーとしての特徴を簡単に表すと、井岡一翔が隙のない完成度の高いボクサーであるなら、井上尚弥は底知れない強さを持った怪物ボクサーだ。
どちらも違った魅力があり、井岡は唸らせるようなテクニックがあるが、井上は愛称である「怪物」の名に違わぬ、衝撃的なKOを生み出してきた。

今回はその井上尚弥の魅力について紹介していきたい。

井上のボクシングキャリア

アマチュア時代

井上は幼少期からボクシングを始めていて、父親の井上真吾がその時から現在に至るまでトレーナーを勤めている。

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この怖そうなオッサンが井上真吾で、一目で印象に残るこの風貌から、最近では名物親父としてメディアに出演したり本も執筆している。
親子ボクサーというと亀田親子を思い出すが、こっちの親父は昔はヤンチャだったものの、今ではナイスガイだ。

この親父はボクシング経験自体はあるが試合したことはないらしく、ホントにそんな親父が指導できるのか、と思われたりもしたが、どうやらその腕は本物らしい。
所属している大橋ジムの会長もこの親父は凄腕トレーナーだと息を巻いているんだとか。

まあテレビに出るときには、坂道で車を押したりといった某亀田親子みたいなちょっと胡散臭いトレーニングをしているが、まあ本物ではあるんだろう。

そしてこの親父の凄いところは塗装業を営んでいたのだが、井上尚弥と弟の拓真がボクシングを始めると、子供たちの練習のためにボクシングジムの経営まで始めてしまうことだ。
それ以来、親子二人三脚で練習をしていると、いつしかとんでもないボクサーになっていた。

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高校生の時には1年生でインターハイ・国体・選抜の全国3冠を達成している。
例えると、デフォルトで能力がカンスト状態みたいなもんだな。

強すぎるということで、高校生ながら一般のカテゴリにも参加していて、高校3年時にはアマチュアの全日本選手権に出場してなんと優勝している。
さらにロンドンオリンピック出場を目指してアジア選手権に出場し、決勝まで進むも、世界選手権銅メダリストのカザフスタンの選手に敗れている。もしここで勝っていたらオリンピック選手にもなっていたらしい。

高校生では史上初の7冠を達成し、既に同じ階級では敵なしの状態でプロ転向を果たしている。

アマチュアでの獲得タイトルを並べてみるが、なんか字面を見るといかにもタイトルホルダーっぽくて凄い。

  • 平成21年度全国高等学校総合体育大会ライトフライ級優勝
  • 第64回国民体育大会ライトフライ級優勝
  • 2010年アジアユース選手権ライトフライ級銅メダル
  • 第21回全国高等学校ボクシング選抜大会兼JOCジュニアオリンピックカップライトフライ級優勝
  • 第65回国民体育大会ライトフライ級優勝
  • 第80回全日本アマチュアボクシング選手権大会ライトフライ級準優勝
  • 2011年インドネシア大統領杯ライトフライ級金メダル
  • 平成23年度全国高等学校総合体育大会ライトフライ級優勝
  • 第81回全日本アマチュアボクシング選手権大会ライトフライ級優勝

プロ転校後

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プロ入りする際に所属する大橋ジムとの契約書に、井上希望で「強い選手と戦う。弱い選手とは戦わない」との条件が付け加えられていたらしい。
なんかストリートファイターみたいで格好いい。

普通はアマチュアの大物でもプロになって初めて話題になるが、井上の場合はプロテストの時点でちょっとした騒ぎになった。
なんでもプロテストの実技試験の相手が、井上が強すぎるということで現役日本王者が選ばれ、しかもそのテストで日本王者を圧倒してしまったのだ。

アマだけでなく、プロでも既に能力がカンストしているチートキャラだった。

なんかもう、プロテストでこれだけやってしまうと、プロでの試合は勝って当たり前だよね、ということで普通にどんどん勝っていく。
ちなみにデビュー戦の相手が東洋太平洋7位の選手で、4戦目にして田口良一という日本王者に勝って日本タイトルを手にしている。(ちなみにその田口も今や世界王者で4度防衛に成功している)

そんでまあ6戦目にして世界挑戦して、6RでKOして世界王者になっている。
これは当時日本人最速記録だが、なんか最近はどんどん最速がインフレ化していて、現在は抜かれている。

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字面だけ追っていると、勝って当たり前みたいになっているが、実はこの試合が今までで一番危ない試合だった。
というのも試合中に足をつってしまって、途中からほとんど動けなくなり、井上自身も「もうこれアカンわ。とりまラッシュして倒せたらラッキーやわ。」みたいな感じでラッシュを仕掛けたらKOしちゃったらしい。

足がつった原因は厳しい減量が原因らしく、マジ減量ヤバイっしょという感じで、1度防衛した後に階級をあげている。

世界の井上へ

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そして日本ボクシング史に残る試合が訪れる。

井上尚弥は8戦目にして、階級を一気に2つあげて、飛び級でスーパーフライ級の世界王者に挑戦することになる。
フジテレビから猛烈にプッシュされているだけに、弱い相手でも選ぶんじゃないのかとちょっと猜疑心もあったのだが、その相手はなんとアルゼンチンの英雄、オマール・ナルバエスだった!

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いや誰だよそいつ、となる人が多いはずなので説明すると、この胸毛がたくましいオッサンがナルバエスだ。

このオッサン、ただのオッサンではなく、フライ級の世界王座を16度防衛、スーパーフライ級の王座も11度防衛しているスーパー王者だ。
敗戦は一度のみで、世界的なスターであるノニト・ドネアに一階級上のバンタム級で負けただけという超強いボクサーである。

そしてフラグをビンビン立てておくと、ナルバエスは20年間プロ・アマ通じて1度もダウンしたことがないという男だ。

そう、勘の良い読者ならお気付きの通り、井上はこのナルバエスを一方的にボコボコにしてKOしてしまう。

1R開始わずか27秒で井上は右フックで、ナルバエスから生涯初のダウンを奪うと、その30秒後にさらにもう一つのダウンを奪う。
その後も井上が攻め立てると、2Rに漫画でも見られないような余りにも鮮やかなボディーブローが入り、ナルバエスがたまらずダウン。

ダメージも深かったが、それ以上にナルバエスは心を折られてしまい、立ち上がることなくKO勝利を収めた。

余りにも強すぎるがあまりナルバエス陣営は試合後に、井上のグローブに鉛でも埋め込んでいるに違いないと見て、グローブをチェックするくらい異常な強さだった。(これは実話)
この試合はYouTubeを通じて世界中のボクシング関係者に見られ、様々な海外メディアから世界を含めて年間最優秀ボクサー、年間最高試合に選ばれることになる。

ちなみにこの試合で拳を脱臼し、1年間の休養を挟んだ後に、9ヶ月で3度の防衛戦を行い、当然のように全て圧勝で防衛を果たしている。
どれも「怪物」の名にふさわしい勝ち方だったのだが、ナルバエス戦が余りにも凄すぎたからこの辺は省略させてもらう。

海外での評価

子供の頃はボクシングの世界王者と聞くと、「世界で一番強いとかすげえ!」と胸踊らせたものだが、いざ大人になって考えてみると、50キロそこそこくらいの体重の人は欧米人ではほとんどいないことに気づいた。
実際には60キロくらいはないと世界的には選手層が薄いこともあって、世界戦といえどもあまり見向きされていない。

もちろん軽量級でも並外れた選手であるノニト・ドネアやローマン・ゴンサレスらは注目されているが、過去の軽量級の日本人ボクサーは、海外ではマニアであっても名前すら知らないことがほとんどだったはずだ。
まあその他にも日本人選手は海外でほとんど試合をしないし、試合したところで尽く負けてきたということもあるかもしれないが。

だが、井上の場合はナルバエスを衝撃的なKOをした試合が、YouTubeなどを通じて「あのナルバエスを破ったアジア人がいるらしい」みたいな形で知られるようになり、海外メディアから日本人選手としては異例の高い評価を受けている。

パウンド・フォー・パウンドにランク入り

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格闘技には「パウンド・フォー・パウンド」という言葉がある。なんかスポンジケーキみたいでおいしそうだが、それとは違う。

これは"格闘技って階級ありすぎて実際誰が強いか分からんから、階級関係なく強いやつ決めようぜ"という脳内ランキングなのだが、ボクシングのように生物的な強さがあるスポーツだけあってこういった脳内ランキングが一定の権威をもっている。

特にアメリカの権威ある雑誌でのランキングは並の世界王者よりも価値があるものになっているのだが、そのランキングで2016年4月時点で井上は9位に選ばれている。

これは日本人初の快挙だ!と言いたいところなのだが、実際にはそうではなく、山中慎介、内山高志に次ぐ3人目となっている。
いずれも現役バリバリの選手で、日本人選手が最近世界的に評価されているのがわかる。

この記事を書いている時点では山中慎介のみがランキングしているが、スーパーフライ級のみのランキングでは、なんとパウンド・フォー・パウンド1位のローマン・ゴンサレスを抑えて、井上が1位になっている。(上の画像参照)

つまり井上は日本だけがスゲーぜ、と騒いでいるのではなく割りとワールドワイドに凄いボクサーだということだ。

ローマン・ゴンサレス戦は実現するのか

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井上尚弥を語る上で、欠かせないボクサーが一人いる。
それはこのローマン・ゴンサレスだ。(右のおじいさんじゃなくて左の人だよ)

素朴な顔をしていて、別に体も筋骨隆々でもないし、よくいるジャパンマネーで連れてこられた外国人選手っぽく見えるが、こいつが実はとんでもないボクサーだ。

戦績はなんと46戦46勝38KO。軽量級で、しかも世界戦をたくさんこなしているのに8割以上のKO率という化物だ。

先程紹介したパウンド・フォー・パウンドのランキングでも並み居る強豪を抑えて1位にランク入りしている、地上最強の生物だ。
フリーザ第四形態みたいに、本当の強者はツルっとしていて凄みがないのかもしれない。

上の画像で並んでいた日本人ボクサーもボコボコにされてしまった。

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この選手は八重樫東といって3階級制覇を達成した凄いボクサーなのだが、そんな男でもロマゴンが相手では全く歯が立たなかった。
(ちなみにこの試合ははじめの一歩でいう「伊達英二vsリカルド・マルチネス」みたいな試合で感動的なのでぜひ見て欲しい試合ではある)

ところでこのロマゴンは強すぎて相手が逃げてしまうことでも知られていて、井岡一翔もこのロマゴンから逃げている。

一応、井岡の名誉のために補足しておくと、逃げたのは事実だが、それが間違った判断ではないと俺は思っている。それについてはいつか井岡の紹介記事を書いた時にでも説明したい。

ちょっと前置きが長くなってしまったが、そんなロマゴンを唯一倒せると言われているのが、井上尚弥であり、そして井上もロマゴン戦を熱望している。

2016年に実現するのではないかと言われていたが、結局実現せず、今は2017年にアメリカでやるのか?とも言われている。
こういう話は延び延びになって一生決まらないこともあるが、まあ現実味があるのは確かだ。

決まればボクシング界にとって一大ビッグイベントになるし、もし勝ってしまったらとんでもない事件になるだろう。
想像するだけで身震いしちゃうね。

2016年の年末に河野公平と対戦!

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そんな井上尚弥の次の試合は2016年の12月30日に行われる、河野公平との試合だ。

河野公平というとリズミカルな名前で覚えやすいが、上の画像のようにマニー・パッキャオに似た風貌を持つボクサーで、"リトル・ブルドーザー"というニックネームがある激戦型のファイターだ。
亀田興毅の引退試合の対戦相手ということで知られているかもしれない。

河野は若くてエリートである井上とは正反対で、まもなく36歳を迎える雑草ボクサーだ。
42戦で9度の敗戦を経験していて、その度に這い上がってきた。ファイトスタイルもまさにど根性ファイターで、打たれても打たれても前に出続けて、劇的なKOを生んできた。

下馬評では圧倒的に井上が有利と言われているが、タフでスタミナ豊富な河野をねじ伏せるのは一筋縄ではいかないかもしれない。

この試合は12月30日の夜6時からフジテレビで放送予定だ。
ゴトーもテレビの前で熱戦を見守っているだろう。