日ロ首脳会談 安倍首相「平和条約交渉へ着実に前進を」

日ロ首脳会談 安倍首相「平和条約交渉へ着実に前進を」
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ペルーを訪れている安倍総理大臣は日本時間の20日朝、ロシアのプーチン大統領との日ロ首脳会談に臨みました。会談の後、安倍総理大臣は記者団に対し、北方領土問題を含む平和条約交渉について、大きな一歩を進めることは容易ではなく、着実に一歩一歩前進していきたいという考えを示しました。
APEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議に出席するためペルーの首都リマを訪れている安倍総理大臣は、日本時間の午前7時半ごろから滞在先のホテルでロシアのプーチン大統領と1時間余りにわたって会談しました。

会談の冒頭、プーチン大統領は、両国の政治・経済レベルの対話が活発化していることを歓迎する考えを示したうえで、「本日はこのすべての分野に関していろいろと確認をとりたい」と述べました。

これに対して、安倍総理大臣は、来月15日のプーチン大統領の日本訪問に向けて、首脳会談が行われる山口県長門市でも歓迎ムードが高まっていることを紹介したうえで、翌16日には東京で経済関係について議論したいという考えを示しました。

そして、安倍総理大臣は「ウラジーミルの長門市訪問は1か月後に迫ったわけだが、当地において、平和条約の問題、さらには経済協力の問題などについて話をしたい」と応じました。

会談は、世耕ロシア経済分野協力担当大臣や国家安全保障局の谷内局長らを交えた形で始まり、その後、通訳だけを同席させた両首脳によるものも行われました。

この後、安倍総理大臣は記者団に対し、「8項目の経済協力プランの具体的な進捗(しんちょく)について2人で確認し、12月のプーチン大統領の訪日、長門市での会談に向けていい話し合いができた。北方領土問題を含む平和条約交渉の問題も含めて議論を行った」と述べました。

そのうえで、安倍総理大臣は「平和条約についていえば、70年間、動かなかったわけで、そう簡単な課題ではない。その解決に向けて道筋が見えては来ているが、一歩一歩山を越えていく必要がある。大きな一歩を進めるということは、そう簡単ではなく、着実に一歩一歩、前進していきたい」と述べました。

そのうえで、安倍総理大臣は「プーチン大統領と2人きりで平和条約交渉について腹蔵ない意見交換を行うことができた。やはり2人の信頼関係の上でなければ前進はしていかない。きょうは2人でしっかりと話をすることができたということは意義があった」と述べました。