明日

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ロサンジェルスに行くしたくをしなければならないが、なんとなく面倒くさい。
ずっとブログやツイッタで付き合ってくれたひとびとは知っているが、わしとわし友達が、なあんとなくトランプが勝つだろうと思っていたのは、やはりBrexit投票のせいである。
途中、どの発言だったか忘れたが終盤でいちどだけ、「あっ、これならヒラリー・クリントンが勝てる」とおもう一瞬があったが、JFKの昔から民主党大統領にとっては鬼門のFBI長官のせいで、ほぼ投票の前に惨敗が決まってしまった。

文句おやじのマイケル・ムーアが、主に出身地のフリント(←GMのお膝元の企業城下町)での観察に基づいて「信じたくないだろうがドナルド・トランプが勝つ」と述べていたが、結局は、その通りになってしまった。

http://michaelmoore.com/trumpwillwin/

やはり、このブログ記事にも書いたが、2年前、中西部の町であるラスベガスで、いわゆる「とてもいい人」のタクシーの運転手さんと話した。
ニューヨークにいた人で、手堅かった職も捨てて、中西部のある町に越したが、仕事がみつからなくてラスベガスに出て来た。
ラスベガスの南に新しく出来たショッピングセンターから、ラスベガスの北まで乗る短いあいだに話をしたが、
いつもの軽口で「ニューヨークは楽しい町ではないですか」と述べると、意外や深刻な調子で、「異なる人たち」と一緒に暮らすのに疲れたんです、という多分生まれたのはジョージアどこかだろうと思わせる口調で答えてくれた。
異なる人たちって?と聞き返すと、うーん、you know、と述べて言葉を濁している。
きみも、きみの隣に座っている奥さんも、白人なのだから判るだろう、という口調です。
でも、言葉にして言うのは、嫌なのであるらしい。

わしはモニがちょっとびっくりした顔をするくらいチップを渡してタクシーを降りたが、それはもちろん、その運転手のおっちゃんの意見に賛同したからではなかった。

ヒラリー・クリントンはプア・ホワイトに負けたのだ、と言うが、数字はどうあれ、実感としては、そう思うのは難しい。
このブログに何度も出てくるように、テキサスにはたくさんの友達がいるが、話してみると、トランプに投票した友達が多いようでした。
「めちゃくちゃじゃん」と、言うと、トランプは良い人間ではないし、4年間、アメリカ人は苦労するだろう、という。
じゃあ、なんでトランプなんかに投票したんだい?とひとりを除いては年長者である友達たちに聴くと、「ヒラリー・クリントンのアメリカで暮らしたいとおもうアメリカ人はいない」という。

ウォール街の連中を見ろ。
彼らが例えばCDOを使ってやったことを見ろ。
毎日、夫婦共働きで、精一杯働いて、幸福を夢見て働いたアメリカ人たちに対して、あの銀行の豚共がやったことを、見ろ!
という。

汗水たらして働いて、ローンを組んで、必死の思いで暮らしていた人間たちから、あいつらはカネを吸い上げて、その上、そのカネをトランプのカードの上にカードを乗せて組み上げたタワーが崩れると、なにくわぬ顔で、税金でベイルアウトして、失敗したのに市場から退場すらしない。
負けたものが破滅するのは資本主義の最低限のルールじゃないのか?
投機的どころではない、ほとんど架空な、無責任な博奕を打って、勝てば自分たちのもの、負ければアメリカ人全部に自分の負けを払わせるのか?
それがアメリカか?
ガメ、きみは欧州人だから判らないかもしれないが、アメリカは、アメリカという理念で出来ている国なんだよ。
高く掲げられた公正と自由の松明に惹きつけられて世界じゅうからやってきた人間がつくった国なのさ。
それを、あのウォール街の豚どもは、なにもかもぶち壊しにしてしまった。

ガメ、きみのことだから、どうせ、ヒラリー・クリントンが女だから、きみたちは色々な理屈をつけて指がかかった大統領の椅子からヒラリーをひきずり落とそうとしているだけだろう、と皮肉に述べるに違いないが、
断じて違う!
おれたちはアメリカを取り戻そうとしているだけなんだ。

公正を期すために述べると、なんだか電話の向こうでちからが入りすぎて、怒鳴りまくるような調子になって「ウォール街が資本主義を殺したのだ」と叫んでいる人は、テキサス大学を出て、たしかウォートンかどこかのビジネススクールに行った人です。
アホな人ではなくて、ロッキードの顧問みたいなことをしていたはずである。
銀髪のアイルランド系4代目の移民で鷹のような目をしている。
たいへんな善人で、わしは、この人が人に知られず、自分がたたきあげからつくった財産の半分以上をアフリカ人の貧しい子供たちが教育を受けられるように寄附をしているのを、まったくの不思議な偶然から知っている。

「アメリカ的価値」に敏感な人で、前にブログに書いた、パブで、わしがウエイターにいつものつもりで何の考えもなしに多めのチップを渡したら、わし手を引いてウエイターのところまでわざわざ歩いていって
「ガメ、この男が、あんなチップに値するほどちゃんと仕事をしていると思うか。
こんなナマケモノの男に、こんなにたくさんチップを渡しては、アメリカ社会にとって迷惑だ。甘やかしてはダメだ」
と言うなり、チップの大半を気の毒なウエイターの手からもぎとって返させたのは、この人です。

あるいは産業構造の話をしていて、話が教育に及んで、わしが軽い気持ちで、
でも、ほら、あのXXさんも、いまの若いアメリカ人にとっては銀行で出世して、金融でオカネを稼ぐのは良いことだと述べていたじゃない、と述べると、
「でもXXはアジア人ではないか」というので、モニとわしに人種差別だよ、それは、と言ってさんざんからかわれた。

このブログを一緒に読んできてくれている人たちは、皆がよく知っているように、わしはチョー鈍感なので、この数年、いろいろな人、特に中西部人と話して、おおきな潮流が動いていて、たくさんのひとびとが「こんな国はアメリカではない」と訴えていたのに、気が付かなかった。
ある人々にとっては、アメリカを腐ったカネ世界に変質した金融人に繁栄を謳歌させるくらいなら、トランプを選んで、社会を滅茶苦茶にして、その破壊の渾沌からもういちどやり直すべきだ、という考えのほうが、ヒラリー・クリントンの「異なるひとびとのアメリカ」よりもマシだと感じられたもののよーでした。

「ヒラリー・クリントンが勝ったとき用」のスケジュール表に較べると、「トランプが勝った場合」のスケジュール表は、チョー過密で、なんだか二週間くらい、毎日人と会って、しょもないオカネの話をすることになりそーな気がする。
サウスコーストプラザに出来たデンタイフォンに行きたかったのに、そのくらいのヒマもあるかどうか。
仮にトランプが保護貿易主義的な主張を変えないとなると、アメリカ経済の凋落は目もあてられないものになるはずで、ネオ・レーガノミクスというか、
アベノミクスとも、似ていて、毎日の生活において「おー、アメリカがまたグレートじゃん」と嬉しくなる一般のアメリカ人の「儲かっちゃって、案外よかった」感の裏では、利率があがってアメリカドルの価値が上昇して、国家財政の赤字は、ものも言えないほど増えてゆく。
「国民には経済は判っても財政は判らない」というが、そのとおりで、雪だるま式に膨らんでいく国家財政の赤字のなかで、一般アメリカ人は、下手をすると二期目もトランプを選びそうなくらい「繁栄」を謳歌することになるかもしれない。
でも、その借金を肩に担がされるのは例えば日本人たちで、レーガンの頃は日本人が喘ぎながらアメリカ人の生活を支えたが、いまの疲弊して旧式な産業構造の日本に、そのちからが残っているかどうか。

また戻ってきて日本語でトランプ大統領下の経済の話を書くに違いない。
わしは毎朝母語である英語でモーニングジャーナルを書く習慣を持っているが、日本の人だけが読める、「誰にも読めない言葉」で、自分の考えを整理したいと思うことがあるからです。

いまの考えではトランプが大統領のアメリカが支配的な役割をはたす世界は、
「原理主義的なレーガノミクス」とでも言うべき世界だとおもうが、アメリカにとって上手くいくにしろ、いかないにしろ、想像を絶するお下品な経済世界で、
最近やる気をだしていたところだけど、またコンサーバティブな投資へ投資をふるかなあーと思ったり、ゲーマーな凍死家としては、悩みがつきない日々になりそうなのではあります。

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