TPP署名の12か国首脳が会合 国内手続き呼びかけ

TPP協定に署名した日本を含む12か国はペルーで首脳会合を開き、安倍総理大臣は協定の発効を目指し、各国に対して国内手続きを進めるよう呼びかけ、各国の首脳からも同様の発言が相次ぎました。また、アメリカのオバマ大統領も、「TPPの重要性について今後も国内での理解を求めるべく尽力を続ける」と述べました。
TPP協定をめぐっては、アメリカのトランプ次期大統領が大統領選挙の期間中、協定からの離脱を表明したことなどから発効に不可欠なアメリカ議会の承認が得られる見通しが立っておらず、先行きに不透明感が強まっています。

こうした中、TPP協定に署名した日本を含む12か国は日本時間の20日未明、ペルーの首都リマでAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議にあわせて、安倍総理大臣やアメリカのオバマ大統領らが出席して首脳会合を開きました。

この中で、安倍総理大臣は「われわれが現状にひるんで国内手続きを止めてしまえば、TPPは完全に死んでしまう。保護主義が抑えられなくなり、まん延する。世界中で自由貿易が厳しい風を受けている中で、各国が国内手続きを断固として進めていくことを期待する」と述べました。

そのうえで、安倍総理大臣は「厳しい状況にある時だからこそ、自由貿易、TPPに強い関与を示す必要がある。各国の取り組みにより、アメリカでもTPPの意義についての理解が進むことを期待する」と述べ、協定の発効を目指し各国が国内手続きを進めることを通じて、アメリカの理解も得たいという考えを示しました。

これに対し各国の首脳からは、安倍総理大臣と同様の発言が相次いだほか、「アメリカの参加が不可欠だ」などという意見が出され、オバマ大統領も「TPPの重要性について今後も国内での理解を求めるべく尽力を続ける」と述べました。

会合に同席した日本政府の高官は「会合で、TPP協定の経済的・戦略的重要性や、各国が国内手続きを進めることが確認・共有されたと認識している」と述べました。

オバマ大統領が各国首脳たたえる

TPP協定に署名した12か国の首脳会合について、アメリカのホワイトハウスは声明を発表しました。

それによりますと、オバマ大統領は会合の中でTPPへの支持を改めて表明したうえで、TPPの承認に向けて国内の手続きを進めている各国の首脳をたたえたとしています。

しかし一方で、声明はアメリカ国内でTPPに反対するトランプ氏が大統領選挙で勝利したことなどで、承認手続きが極めて難しくなっている現状についてオバマ大統領がどう説明したのかは言及していません。