【ロンドン矢野純一】英財務省は18日、観光地としても有名なロンドン中心部にある英王室のバッキンガム宮殿の老朽化した配管などを3億6900万ポンド(約500億円)かけて改修すると発表した。予算が議会で認められると、来年4月から工事が始まる。
計画では、約10年間かけて宮殿内の水道管や配線、暖房用の配管などを取り換える。王室行事や、毎年夏に行われる一般への宮殿公開などは通常通り行われる。
英財務省や王室によると、宮殿内の電線などのケーブル類の総延長は約160キロ、暖房用配管の総延長は30キロ以上に達するという。同省は改修理由について「宮殿や内部に飾られている(絵画や調度品などの)収蔵品を、(老朽化が原因で起きる)火事や漏水などで失うことを防ぐため」としている。
同宮殿はエリザベス女王のロンドンの公邸で、王室関連の公式行事の3分の1を行っている。エリザベス女王と夫のフィリップ殿下は、工事期間中に居室の変更が必要になるという。