神戸市がBRT導入に着手へ 17年度、市長方針

画像就任3年を前にインタビューに答える久元喜造・神戸市長=神戸市役所(撮影・大森 武)

 神戸市の久元喜造市長は、20日の就任3年を前にした神戸新聞社のインタビューで、都心・三宮再整備に伴う新たな公共交通として、バス高速輸送システム(BRT)の導入に着手する方針を明らかにした。2017年度当初予算案に関連費を盛り込む意向。

 BRTはバスの車体を連結して輸送力を高め、専用レーンや優先信号などによって通常の路線バスよりも速く乗客を運べる。鉄道ほどコストが掛からないため、新規路線を開設しやすい利点がある。

 久元市長は「人にも環境にも優しい交通手段で、にぎわい再生にもつながる」として、次世代型路面電車(LRT)とBRTの導入検討を公約に掲げ、神戸市は民間から実施計画案を募って調査を続けてきた。

 久元市長は「神戸のような大都市では、LRTの導入は議論に時間がかかる。LRTをあきらめるわけではなく、引き続き入念な検討を進める一方で、より可能性が高いBRTの導入に向けて手を着けたい」と話した。

 運行システムや開始時期は未定だが、「輸送人員の多い連結バスを非常に混雑しているルートで運行する可能性の検討を早く進めたい」と述べた。都心部のほか、ポートライナーの混雑が激しいポートアイランド方面なども検討するのではないかとみられる。(森本尚樹、若林幹夫)

 【BRT】「Bus Rapid Transit(バス・ラピッド・トランジット)」の略。一般車が乗り入れできない専用道・専用レーンにバスを走らせる高速輸送システム。国内では新潟市、神奈川県厚木市、岐阜市などで連結バスが「BRT」として運行されている。茨城県日立市や同県石岡市では鉄道廃線をバス専用道として整備し、バスを運行している。

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