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【中国ネット「トランプ」ウオッチ】
「米国の時代は終わった」「世界の新秩序は中国がつくる」…中国人、トランプ次期大統領を歓迎
当局は開票速報を禁止
10日付の環球時報は、米国社会の分断とエスタブリッシュメント(支配階層)の敗北を浮かび上がらせた今回の大統領選を「文化大革命」になぞらえ、米国政治の衰退と民主制度の病弊を指摘する余裕もみせた。
トランプ氏や難民排斥を主張する欧州の極右政党らのポピュリスト(大衆迎合主義者)が伸長している世界政治の現状を「感情が理性を圧倒する時代だ」と分析する声も寄せられた。
ただ「米国の退場」を好機として世界の超大国を目指す中国の足下も決して盤石ではない。選挙期間中に経済孤立主義を掲げ、米国内の雇用減少の犯人として中国を攻撃したトランプへの不安は根強い。「奴はわりと中国が嫌いらしいぞ」
米大統領選の投開票日、中国当局は主要ネットメディアに対して開票速報を禁止する通達を出し、違反者への「処罰」もちらつかせた。有権者がリーダーを大胆に選択し、劇的な国策の転換が行われる瞬間は、民主制度の導入を拒み続ける中国の統治者にとって自国民にみせたくない場面だったのかもしれない。