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【安倍・トランプ会談】
中国メディア、「拝謁」「朝貢」と揶揄 「日米の相違は大きい」
【北京=藤本欣也】安倍晋三首相とトランプ米次期大統領の会談について、中国外務省の耿爽報道官は18日、具体的な会談内容は不明としつつも、国家間の協力が「第三者の利益を毀損(きそん)してはならない」と今後の日米関係にくぎを刺した。
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は18日付で、「安倍、トランプに“朝貢”」との見出しを掲げて関連記事を掲載。安倍政権がトランプ氏の当選を受け、慌てて異例の会談を設定したことに関し、「安倍は朝貢に行くのか」との批判が日本のインターネット上に出ていると伝えた。
同紙は社説「安倍、トランプに“拝謁”して何を得るのか」でも、トランプ氏が公約に掲げた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)脱退などを念頭に、「アジア太平洋地域の問題で日米の相違は大きく、覆い隠せない」と強調した。
中国の習近平国家主席は現在、19、20両日にペルーで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ、南米を歴訪中だ。TPPをめぐってはペルーのクチンスキ大統領が、米国の代わりに中露を加えた新たな枠組み作りに言及するなど、関係国の足並みが乱れている。
上海・復旦大学の沈丁立教授は「中国の国家元首による中南米訪問は過去4年間で3回目。これは中国政府が同地域を戦略的に重視している表れだ」と指摘。中国メディアは「(壁を築くトランプ氏に対し)習主席は友好の橋を築く」とアピールしている。