韓国の飲食業、過去5年で最悪の不況

韓国の飲食業、過去5年で最悪の不況

 韓国南部の慶尚南道巨済市で飲食店を経営する30代男性は売り上げが急減し気が気でない。造船業の構造調整などのあおりで地元では失業者が増え、外食に出掛けるファミリー客が減少し、売り上げが前年比で20%以上も落ち込んだからだ。男性は「周辺の飲食店の相当数が廃業するか店を売却した。飲食店で働く女性従業員の多くが職を失った」と話した。

 景気変動に左右されやすい飲食店の業績は今、過去5年で最悪の状況だ。韓国統計庁によると、9月の一般飲食店業のサービス業生産指数は85.2で、9月としては2011年(83.9)以降で最低だった。同指数は2010年を基準値(100)として、生産活動の活発度を見る指標。一般飲食店業の月別の生産指数は年初来一度も100を超えていない。

 背景には不況の長期化で全般的に消費規模が縮小したことがある。生産、雇用、投資などが同時に低迷し、消費者は真っ先に外食費を削っている。サービス業生産指数は13の業種指数で構成されるが、一般飲食店業が含まれる「宿泊および飲食店業」を除く12業種の指数は年初来ほとんど毎月100を超えている。身の回りの飲食店が景気低迷の影響を最も受けていることを示している。

 また、リストラの影響で、小規模飲食店を開く自営業者が急増し、飲食店数が供給過剰状態に陥ったことを受け、9月末に施行された「請託禁止法」も飲食店業の景気に悪影響を与えたとみられている。

アン・ジュンヨン記者
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