育児休業を取得した男性が
異動、減給の仕打ちを受け、
退職を決意したというブログが
SNSで話題となっています。
育休取得の現実
育休取得の障害
11ヶ月の娘と2歳の息子を
育てるパパンダさんは、
統合失調症の奥様をサポートするため、
1年間の育休を取得しました。
すると育休取得前に突然の部署異動。
理由は
「引き継ぎ担当者の
独り立ちを見守るため」。
そして整理整頓や掃除をする
毎日を過ごします。
なぜか減給までさせられ、
「これってやめさせたいだけ?」
と疑心暗鬼に。
けれど、妻のため、子供のため
育休給付金のためにも我慢した
パパンダさんは、
何とか育休を取得します。
育休取得後の仕打ち
そして復帰の3ヶ月前、
また前のような仕打ちを受けないために
上司に復帰のための連絡を取りました。
上司の「人事に問い合わせろ」
との指示に従ったところ、
人事部からは
「現在の部署は定員いっぱいです」
その後しばらく放置され、
また問い合わせのメールを
入れてみると、次は人事部長から
「電話で復帰挨拶の
アポイントを入れろ」
とお怒りの指示。
不信感を捨てられなかった
パパンダさんは、
このゴタゴタを機に
退職を決意されたそうです。
フランスの育休事情
このブログを読んで、
最近読んだ記事を思い出しました。
1994年に出生率1.66だった
フランスが、2010年には2.00超まで
回復した理由とは?
について言及された記事。
著者は出生率が低下した理由を
「女性が男性と社会を
信用していないから」
と述べています。
これはどういう意味でしょうか。
1995年の出生率低下問題
フランスでは1995年、
戦後最低となる出生率に向き合い、
「子供の数が増えるほど
離職率が上がる」
というデータを分析しました。
そこから分かったのは
- 育児と仕事の両立は難しい
- 女性は出産より仕事を選ぶ
という厳しい現実。
この裏には
「女性が社会と男性を
信用しなくなっている」
という空気があったそうです。
仕事と育児の両立を考えたときに、
- 社会も男性も自分を、サポートしてくれるか分からない。
- 分からないから、子供を産むことに躊躇してしまう。
- 出生率を上げるためには、夫を家庭に返さなくちゃいけない...
フランス政府の対応策
この経緯からフランス政府は
- 「男の育休制度」
- 「女性への充実した補償制度」
を整えました。
育休制度として、
- 雇用主から3日間
- 政府から11日間
を有給休暇として与え、
「赤ちゃんと向き合う時間」
を作ったのです。
また女性には
「子供を持つことで生まれた弊害は
全て政府が補償します」
と全面サポートを約束しました。
この男性と社会への不信感を
拭うための制度のお陰で、
女性は子供を産んでも大丈夫
という空気が生まれ、
出生率も上昇したというお話です。
日本とフランスの違い
この時の出生率上昇の裏では、
「結婚、子育ては素晴らしいもの」
という認識がフランス人に
存在していました。
しかし日本では
結婚には犠牲がつきものだ
という認識が色濃く
足かせになっています。
結婚して子供を産めば何かを失う
という認識は、ほとんどの日本人が
持っているでしょう。私にもあります。
「なのに年上の世代の人は、
犠牲覚悟で結婚すべきだと訴えている。
そんな訴えはおかしいですよね?」
そう著者は訴えます。
- 子育てはしたいけど仕事も続けたい。
- でもどうしようもないから仕事を辞める。
- 子供のためには我慢して当たり前。
そんな暗黙の了解が、
出生率低下を招くのは明らかです。
2つの記事から分かること
嫉妬心の存在
以上が子育てに関する2つの記事です。
この2つの記事から私が言いたいのは
「日本人男性の嫉妬心が、出産・子育てに
とてつもないブレーキをかけている」
ということ。
結婚して家庭のためにと
毎日毎日働いてきたのに、
今の若者は子育てなんかで
休もうとしている。
子育ては妻に任せて
働くのが男ってもんだろうと。
さもそれが全てかのように振舞います。
これは理由は明確で、
自分が経験してこなかったことは
認めたくないんですよ。
自分達には育休なんてなかったのだから、
お前達だけ休むなんて嫌だ!気持ち悪い!
という嫉妬心。
またタチの悪いことに、
嫉妬心に気付いてない人がほとんどです。
自分じゃ見えない嫉妬心
「なんてひどい話だ!」
と思ったあなた。
この嫉妬心、不快感は
誰でも持っているものです。
例えばマッチングアプリを使った出会いは
今のところ笑顔で受け入れてもらえるもの
ではありません。
マッチングアプリに
嫌悪感を示す人は多いと思いますが、
それはあなたにとってマッチングアプリが
未知の体験だからじゃないでしょうか。
しかし今の10代の子には、
マッチングアプリは
存在して当たり前です。
将来自分の子供が結婚相手と
マッチングアプリで出会いました!
なんてことも増えてくるでしょう。
そのときに貴方は受け入れられるか。
それは貴方が未知の経験を
認識し、受け入れられるか。
器を大きくして構えていられるかに
かかっています。