一六世紀末、いわゆる戦国時代に、ヨーロッパからキリスト教布教のために来日したイエズス会宣教師たちは、在日中、文化や人々の生活習慣などの情報収集と分析を行い、日本人にふさわしい宣教の糸口を模索していた。その一つが、日本人の間で盛んに嗜まれていた茶の湯であった。
従来は漠然としか考えられていなかった茶の湯とキリスト教との関係を、ローマイエズス会文書館より収集した本邦初公開の史料をもとに、詳細に明らかにする。
そこからは、彼らキリスト教宣教師たちが、いかに茶の湯の精神的側面を高く評価し、茶の湯による接客を重視していたかが浮き彫りになる。
現在の異文化交流のヒントに満ちた、四百年前のおもてなしの実態を鮮やかに描き出す。
本体価格
4,600 円(税別)
在庫状況:
未刊
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体裁46判・248頁
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初版年月2016年12月
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ISBN978-4-7842-1863-9
内容
目次
(予定内容目次)
序論
第一章 異教徒への適応主義に基づいた宣教方針
イエズス会創立の経緯/エンリケスの宣教方法
第二章 ルイス・アルメイダの茶会体験報告
アルメイダが堺の都市を訪れるまでの経緯/アルメイダが認識した茶の湯
第三章 ルイス・フロイスの茶室に関する報告
フロイスが認識した茶室/日本における適応主義に基づいた宣教の実態
第四章 通辞ジョアン・ロドリゲス『日本教会史』から 巡察師アレッサンドロ・ヴァリニャーノの宣教方針への道程
ロドリゲスが『日本教会史』を編集した経緯/ヴァリニャーノの日本視察までの経緯/ロドリゲスとヴァリニャーノが認識した日本の礼儀作法
第五章 ヴァリニャーノが茶の湯から導き出した適応主義に基づく宣教方針
ヴァリニャーノが意図したイエズス会の茶の湯者「同宿」/イエズス会修道院内の茶の湯によるもてなし/ヴァリニャーノが認識した茶の湯の精神性
結論
史料/参考文献/あとがき/索引