今隠れたブームの『写ルンです』カメラ。
30年ほど前に一大ブームになった使い捨てカメラで、写真が身近なものになった。
それは同時に、カメラを趣味にする者に対する別格扱い(やっかみ)が緩和された。(スマホなどもこれにあたる)
性能よく、使い勝手よく、コマーシャルも良かった。
デーモン小暮閣下がシリーズのようにコマーシャルに出ていた。樹木希林さんも「美しい方はより美しく。そうでない方はそれなりに写ります」も記憶に残るコマーシャルだ。
だが見方によれば、差別用語として批判されそうなものだが、相対的には良いコマーシャルとして評価された。
キジバトの子とスズメの子
この評価されたことを考えるとき、さらに25年ほど前の社会現象を無視できないと私は勝手に思うのだ。
スズメ
化粧品業界が新たな動きを始め、カネボウも化粧品事業を本格展開始めた1960年頃だった。
化粧品業界は成人女性に対して『可愛い顔』『魅力ある顔』と積極的に表現するようになった。
それまでは、『美人』と言う表現が主であった。
『可愛い・魅力的』と一般的に言われ始めると、可愛い・個性的・チャーミング・目鼻立ちがいい・ふっくらしている・・・と、女性それぞれを讃える表現が広まった。
その気になった(美人と呼ばれない)女性も化粧に磨きをかけ、自分の顔に自信を持ち、美人に対するやっかみ(美人ゆえのイジメられ)も少なくなり、共に精神的にも明るくなったようだ。
12歳年上の姉がこれらのことをしきりに言ってくるので、小学生の私も自分なりに女性の心理を考えた。
スズメ
数年後には、薬糞商売(薬は9割儲かる)と言われていた薬店も、化粧品を主体に販売するようになった。
キャッチコピーは本来、商品販売のために作る言葉なのだろうが、結果として社会生活に大きく影響を与え、文化まで変える力があると感心する。
とは言っても、化粧品はなんと価格が高いことか。
ゴミの分別方法が変わっての説明会。
家から持ち出した廃棄物で説明していて、言葉が止まった。
化粧品の値段が目に入ってエエエ・・・
家に帰って妻に言った「食料品の10円・20円でガタガタ言う前に、化粧品を何とかした方が手っ取り早い・・・農家の人の作る手間を考えたら・・・」
私の話が終わる前に、あれこれと数倍反撃された。
「この服派手だよね」と聞かれたのでウンと答えたら・・・
だったら聞くなよ、とは言えない。
化粧品と服装についいて、なにを聞かれてもハイハイ。