マジカルチェイス
パルソフト/クエスト 1991
グラディウスIIが初めてAOUショーに出展されたとき、発表があまりに唐突かつ、そのクオリティが良い意味で衝撃的だったため
「グラディウスIIはまるで彗星のごとく登場した」
なんて文句をよく見かけます。
今回ご紹介するマジカルチェイスも開発元がPCエンジン参戦初だったにも関わらず、内容がハードの限界に迫るとんでもない完成度だったことから、その登場はまるで彗星のごとく、でした。
ただし彗星のごとく去っていきましたが。
マジカルチェイスは1991年、パルソフトより発売されたシューティングゲーム。
開発はクエスト。
こちらパルソフトとクエストというメーカー、失礼ながら当時のPCエンジン界隈ではほぼ無名だったので、リリース発表当時はそれほど注目されてなかったタイトルだったと記憶してます。
しかし雑誌やメディアを通してそのクオリティの高さが口コミで広がり、最終的にはPCエンジンオリジナルシューティングの最高峰まで上りつめたスゴいゲームなんです。もちろん私見ですが。
なにが凄かったのかって、まず一目で分かるグラフィックの美しさ。
こういうパステルっぽい絵は色の多いPCエンジンの得意とするジャンルだと思うけど、なかでもマジカルチェイスのグラフィックは抜群に綺麗だった。
しかもこの綺麗な背景が何重にもスクロールするんですよ。
PCエンジンは背景グラフィックが1枚しかないため本来こういった処理は苦手なハズなんですが、スプライト、ラインスクロール、背景パターン描き換えなどあらゆる手段を駆使して、ゲームセンターも裸足で逃げ出す驚異的な多重スクロールを実現しちゃってます。
他にも
擬似的な半透明処理
拡大縮小
ラスタースクロール
といった16bitマシンのお家芸を気合い(?)で実現しまくるマジカルチェイス。
可愛い見た目に反してなんかすっごいカッコ良かった。
ゲーム内容そのものは比較的オーソドックスというか、いろいろなシューティングゲームの良いトコロを集めた感じで、
敵弾を防ぎ、任意の方向にサブショットを発射できる星の精とか
お金を集めてショップでアイテムを買うあんなシステムとか
なんかどっかで見たことあるなー、なシーンが多いんですけど、あまりごった煮な印象はなく、それぞれのシステムを上手にまとめ上げた感じです。
難易度も難しすぎず簡単すぎず、以前にサントラCDで紹介した通りBGMも名曲のオンパレード。
はっきり言って欠点のまったくない超優良ゲームです。
……だったのですが、発売からすぐに発売元のパルソフトが倒産。
雑誌「月刊PCエンジン」主催のもと限定的に復刻される異例の処置が行われるものの、人気や知名度に反して世に出回った数が少なく、一時期はかなりプレミア化してました。(2014年現在は比較的落ち着いたといえまだ高価です)
これだけの名作ゲーム、このまま埋もれさせてしまうのは非常にもったいない。
PCエンジンアーカイブス、バーチャルコンソール等で復活してほしいものです。
それでは今日はここまで。