韓国の詳細地図から軍事施設削除を拒否する傲慢なグーグル

 米IT大手グーグルが韓国の詳細地図データを持ち出すことをめぐり、韓国政府は18日、国土交通部、国防部、未来創造科学部(いずれも省に相当)など8つの省庁からなる協議体の会議を開き、持ち出しの可否を決定する予定だ。当初は今年8月に決定するはずだったが、グーグルがさらなる交渉を求めてきたため一度延期された。しかし3か月にわたりグーグルと韓国政府が交渉を重ねたにもかかわらず、グーグル側の立場は全く変わっていないとみられる。

 韓国政府とIT業界関係者の話を総合すると、10月にグーグル米国本社の担当者が来韓し、国土交通部と地図データの持ち出し問題について協議。この席で国土交通部は「韓国は北朝鮮と対峙(たいじ)している世界で唯一の分断国家」だとして「グーグルアース(人工衛星写真サービス)から軍事施設など重要施設を削除してほしい」と要請した。また、グーグルの地図サービスに必要なサーバーを韓国に移し、個人・位置情報の管理を可能にするよう要請した。

 しかしグーグルは政府の要請を全て拒否。グーグルは「韓国だけ人工衛星の写真に削除処理を施すなど別途のサービスを提供することはできない」との主張を繰り返したという。グーグルが強硬姿勢を見せるため、グーグルが韓国で法人税をほとんど納めていない問題については触れることすらできなかったようだ。

 これについてIT業界では不満が噴出している。あるIT業界の関係者は「韓国で事業を推進するつもりなら、韓国政府に少しは配慮するとか交渉しようという意思を見せるべきだが、グーグルには全くそのような姿勢が見られない」と批判した。

 グーグルは検索サービスだけでなく、動画サービス「ユーチューブ」、ゲームやアプリの公式ストア「プレイストア」などを通じ、韓国国内だけで毎年数兆円(数千億円)を稼ぎ出していることが分かっている。それにもかかわらず税金はほとんど納めていないのだ。グーグルが韓国政府に詳細地図データの持ち出しを申請したのも事業拡大のためだ。しかし韓国政府との交渉で一歩も引かないグーグルを見ていると、韓国政府が国民の税金で作成した詳細地図をなぜグーグルに提供する必要があるのか疑問だ。

カン・ドンチョル記者
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