自民党会合に大学スポーツ指導者らが出席、日本版「NCAA」創設を訴える

2016年11月18日20時9分  スポーツ報知

 自民党のスポーツ立国調査会(スポーツビジネス小委員会)が18日、党本部で行われ、帝京大ラグビー部の岩出雅之監督(58)、京都大アメフット部の三輪誠司GM(52)、法政大アメフット部の安田秀一監督(47)=ドーム社長=が大学スポーツの課題と改革案を披露した。ガバナンス向上や安全管理などのため、日本版全米大学体育協会(NCAA)創設の必要性を訴えた。

 大学選手権7連覇中の常勝軍団を率いる岩出氏は「たぶん、今年も8連覇になるでしょう」と予告。組織を強化する上で、絶対的な主従関係にある体育会独特の思想を抜本的に変えたという。「“脱体育会”を行った。下級生は奴隷はなく、4年生は神ではない。奴隷では主体性は芽生えません。うちでは、上級生が雑務をやります。(連覇できるのは)4年間しっかりやってきた下級生が伸びた成果だ」と強調した。

 8月に京大アメフット部を一般社団法人化した三輪氏は「任意団体では、スポンサー契約を締結しても契約履行責任の所在が不明確。銀行口座が個人名義のためガバナンス上問題がある」と説明。法人化で「自己資金を充実させることが可能になる」と話した。12月には3~4社と総額1200万円規模のスポンサー契約を予定し、17年には2000万円規模まで拡大するという。また、地域の小学生らを対象に社会貢献活動も行い、「選手や関係者に自覚や感謝の気持ちが出てきた」と利点を挙げた。

 安田氏は9月に法大アメフット部監督に就任。大学の役割について「大学は地球全体を良くする人材育成機関であり、時代に応じた形が必要」と定義した。大学スポーツの意義については「文武両道は現代でも最大の賛辞で憧れの対象。机の上では満たすことのできない人間力、勝負に向けた合理的思考力、対話から生まれる社会性や成功体験など、大学スポーツは真の効果を発揮する」と述べた。「いまだに日本の体育会ではけがが起きた場合、『気合を入れろ』と言っている」と嘆き、「大学スポーツは広告塔と実践教育の場になる」とした。

 出席した文部科学省幹部は「提案を正面から受け止め、前向きにやっていきます」と話した。

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