松野博一文部科学相は18日の閣議後記者会見で、道徳教育を通じて子供たちにいじめについて考えてもらい、いじめ防止につなげようと学校関係者に呼びかける「大臣メッセージ」を公表した。道徳は2018年度以降、小中学校で正式な教科に格上げされるが、松野氏は「教科化を待たずにできるところからいじめに関して考え、議論する授業を展開してほしい」と訴えた。
松野氏は、道徳の教科化は11年に大津市の中2男子がいじめを苦に自殺した問題などがきっかけだったことを踏まえ、「いじめを自分自身のこととして考え、議論する道徳へと転換することが求められている」と強調。「子供たちを加害者にも被害者にも傍観者にもしないために、いじめは許されないことをしっかりと学べるようにする必要がある」などと呼びかけた。
今年度中に、いじめを題材にした事例集や映像資料などの教材をインターネット上の「アーカイブセンター」(仮称)で公表し、各学校の授業で利用できるようにする。【佐々木洋】