韓国大統領府と与党・セヌリ党、朴槿恵(パク・クネ)大統領に近い「親朴系」が「大統領の下野はない」と明言、16日から本格的な反撃モードに転じた。朴大統領の支持層は徐々に再結集する流れにあると見ているということだ。
大統領府関係者らは同日、「さまざまな疑惑について1つずつ真偽を確かめながら時間をかけて法に対応していこうという雰囲気になりつつある」と内部の様子を語った。ある関係者は「今はさまざまな疑問が取りざたされている程度だが、(確認できているものもなしに)大統領に下野せよというのは正しいか。与野党代表会合などを通じて対話で政局を解きほぐしていくべきだ」と述べた。
朴大統領は同日、国連大使に任命された趙兌烈(チョ・テヨル)外交部(省に相当)第2次官の後任に安総基(アン・チョンギ)在ベルギー・欧州連合(EU)大使を内定する人事を実施した。これは外交関連の国政を取りまとめようという意志が込められたものだ。また、法務部長官に「釜山エルシティ不正事件に関して可能な捜査能力を総動員し、迅速かつ徹底的に捜査して真相を糾明、関与した者は職位の上下にかかわらず厳しく処断せよ」とも指示した。大統領府の鄭然国(チョン・ヨングク)報道官が明らかにした。与野党では「政局の主導権を再び握るとの意図」と受け止めている。
与党・セヌリ党や親朴系も攻勢に転じた。李貞鉉(イ・ジョンヒョン)代表は同日の党会議で、朴大統領と距離を置く「非朴系」に対して、「党員こそ真の党のあるじだ。(非朴系は)今、『第2の創党』『党解散とほぼ同レベルの党の変化』『改革と刷新』を唱えているが、口先だけで終わるだろう」と言った。しばらく沈黙していたチェ・ギョンファン議員ら親朴系のベテラン議員たちも同日一斉に会議に出席、現指導部を維持すべきだとの意向を明らかにした。
与党関係者の間では、こうした大統領府・親朴系の方向転換について、「時間を引き延ばしながら支持層の再結集を通じて逆転の機会を模索できる環境が整いつつあると見ているため」としている。大統領府関係者は「先週末のデモに100万人集まったというのは事実でない」「これまでの政権の側近による不正と比べると、朴大統領は退陣するほど悪質ではない」「退陣後は左派に政権が移る」など、支持者たちの声が強まっていると言った。このように熱い支持層再結集ムードが朴大統領にとって「力」になっているということだ。それと同時に、ある関係者は「朴大統領自身も当初は余裕がなかったが、時間が経つにつれて落ち着きを取り戻しつつある。国政の責任者として憲法に従うと心に決めている」と語った。違法だと明らかになれば憲法上の手続により「弾劾」すればいいのであって、自ら政府や政権を野党に引き渡しはしないというということだ。