米大統領選で共和党のドナルド・トランプ氏が勝利し、次期大統領に選出された。中国に対して強硬な態度を示すトランプ氏だが、中国国内ではトランプ氏の勝利を喜ぶ声も多く見られる。

 トランプ氏が選挙戦中に「米国が世界の警察としての役割を続けることを見直す必要がある」と繰り返し発言したことについて、中国メディアのBWCHINESEは14日、「日本は今後、米国が中国を牽制することを期待できなくなる」と主張した。

 記事は、トランプ氏が大統領となり、米国が世界の警察としての役割を止めれば、東シナ海問題や南シナ海問題で米国が中国に対して「横やり」を入れることが減るとの見方を示し、それは中国にとって非常に好都合であるとの見方を示した。

 また、中国メディアの中金網は14日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)はオバマ大統領にとって最重要の「遺産」であり、中国を締め出すと同時に日米経済の影響力を拡大する意味合いもあったとしながらも、トランプ氏はTPPに否定的であることを指摘。米国がTPPから離脱すれば、協定そのものの意義が失われることになり、貿易拡大を見込んできた日本にとっては大きな打撃となると主張した。

 さらに、中国メディアの東方頭条も、中国を蚊帳の外に置くことで中国の勃興を阻止する意味合いがあったTPPから米国が離脱することは「TPPの死を意味する」と主張。トランプ氏が米大統領戦で勝利したことで「笑顔になったのは中国であり、涙を流すことになったのは日本である」と伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)actionsports/123RF.COM)