米科学誌サイエンスは、トランプ次期米大統領に対し、「大統領になったら科学を尊重してほしい」とする論説を17日付の電子版に掲載した。地球温暖化を「でっちあげ」と言ったり、ワクチンの効果を疑問視したりするなど物議を醸す発言を繰り返してきたトランプ氏に、科学界を代表して苦言を呈している。
論説は、サイエンス誌を発行する「米科学振興協会」(AAAS)のラッシュ・ホルト会長の署名。トランプ氏の選挙中の発言によって、「政治思想的な主張を通すため、事実をしめ出す傾向に拍車がかかった」などと批判。研究で裏付けられた事実を覆すことはできないとして、「大統領になったら、事実に基づいてほしい」と注文を付けた。
科学分野に詳しい大統領補佐官を選び、科学政策だけでなく外交や安全保障、インフラ整備など幅広い分野で助言を求めるべきだとも主張している。
AAASは、科学者を中心に約1千万人の会員がいる非営利団体。米国の科学技術政策や研究動向に大きな影響力をもつ。ホルト氏は、物理学の博士号を持つ元民主党下院議員。(ワシントン=小林哲)
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