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トライブが18年ぶりにして最後の作品をドロップしてから1週間が経った。驚きと喜びにあふれた段階を過ぎて、音の詳細を分析しているファンも多いと思う。アルバムに大きく貢献した、ニューヨーク在住の日本人キーボディスト、BIGYUKIにも俄然、注目が集まっている。スタジオ内のQティップの素顔と、の制作過程がわかる、貴重なインタビューだ。
先週は、気持ちが忙しい週だった。水曜日にドナルド・トランプ氏が米国の45人目の大統領に選ばれ、金曜日にア・トライブ・コールド・クエスト(以下、ATCQ)が18年ぶりにして最後のアルバムを突然、リリースした。どちらも心底びっくりして、泣きそうになった。トランプへの涙は不安から、ATCQの『ウィ・ガット・イット・フロム・ヒアー〜サンキュー・4・ユア・サーヴィス』はもちろん、うれしかったからだ。
バスタ・ライムズやアンドレ3000など声が馴染みすぎる同世代MCから、ケンドリック・ラマーら下の世代まで招いた傑作のクレジットに、Masayuki "BIGYUKI"Hiranoという日本人の名前が、16曲中8曲でピアノかキーボードで掲載されている。「メラトニン」に至っては、作曲家としても名前が載っている。一大事。各方面に調整をして、 スカイプ・インタビューをした。
まず、BIGYUKIの基本情報から。愛知県出身。子供の頃からクラシック・ピアノを学び、名門バークリーでジャズピアノを専攻。ボストンからニューヨークに移ってから、タリブ・クウェリやビラルと出会い、セッションやレコーディングに参加するように。今年の3月、ソロ・アルバム『グリーク・ファイアー』をユニバーサル・ミュージックよりリリース。11月20日に ブルーノートでライブを行う。
こうまとめると、才能と環境、運に恵まれた、順風満帆のキーボディストをイメージするかもしれないが、「ニューヨークに移ってからの10年は、どんな月日でしたか?」と尋ねると、「‥‥大変でしたね」とやや間を置いて返してきた。この間の意味は、痛いほどわかる。どんなに腕があっても、ポジティブな性格でも、外国人がニューヨークのミュージック・シーンで生き抜くのは並大抵ではない。そこを踏まえて、以下のやり取りを読んでほしい。
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■Qティップの第一印象 からお願いします。
「最高でしたよ。俺はヒップホップ小僧ではなかったけれど、Qティップの音楽シーンにおける居場所とか、どれくらい影響を与えてきたかは知ってはいました。でも、スタジオにいたら、そういうのは関係なしで、その時に作っている音楽に集中する人で。 目が超キラキラして、安っぽい言い方かもしれないけど、少年みたいで」
■アルバムには16曲中8曲参加していますが。
「8曲かな? ああいうクレジットって、結構適当なんですよ。"Kids"にも俺が作ったメロディーが入っているし、ケンドリック・ラマーが参加した"Tokyo Conrad"も弾いています。ほかにもそういうのはあると思います。知り合って2年間、一緒にスタジオに入ってたくさん演奏しましたから。あの人、とにかくずっと音楽を作っているから」
■そのわりにリリースは少ないですよね。
ー「ね。まぁ、ほかの人に曲をあげたりしていますね。完璧主義者というのもありますね。結構、突発的に声がかかるんです。 "何してるの?"、"(ほかの)仕事しているけど、どうしたの?"、"こっちもスタジオにいるんだけど"、 "行った方がいい?"、"うん、来て!" みたいな。正直、長い時間ほかのレコーディングに参加した後だとキツかったけれど、トライブのアルバムを作っているのはわかっていたし、純粋にかっこいい音楽を作るのに参加したい、という気持ちがあったから、行きました」
■音楽的な相性だけでなく、性格的な相性も良かったみたいですね。
ー「それはあるかもしれないですね。10年以上ずっと一緒にやっている人も多いけれど、自然にチームから外れていく人もいるから」
■Qティップは本当に華のある人で、ソロ作の延期がなかったら今のカニエ・ウエストくらいになっていたんじゃないか、という思いがあります。
ー「そうなんですね。本人は、好きな音楽を作っていられれば幸せ、というタイプですけれど」
■スタジオは、ニュージャージーですよね。
ー「そうです。彼の自宅にいいスタジオがあって、そこにみんな集合します。そこでいろんな人に会いました。カニエにもそれこそ会いましたよ。お礼参りじゃないですけど、すごい人たちが挨拶に来るんですよ」
■お礼参り!(爆笑)
ー「あのスタジオでたくさんの人に会いました。Qティップは必ず全員に紹介してくれるんです」
ー「それはどうでしょうね。ただ、嬉しかったのが、ティップと俺、ジャロビとエンジニアだけで深夜までジャムっている時に、ティップが"お前ヤベェな(You're bad boy)"って言ってくれたことがあって。この仕事でいろんなドアが開くと思うよ、とも言ってもらえました」
■ほかにはどんな人に会いました?
ー「ジャック・ホワイトや、アルバムに参加したミュージシャンはもちろん会いましたし、あとスウィズ・ビーツやアリシア・キーズにも会いました。(レオナルド)・ディカプリオも会いました。あんまりミーハーな感じに響くと困りますが」
■いや、誰でも興奮する話です。ディカプリオがやっとオスカーを獲ったとき、ヒップホップ業界の人がSNSで大騒ぎしたほど、ヒップホップと近い俳優さんですよね。
ー「1回なんか、バスタ・ライムズがいて、ナオミ・キャンベルがいて、ディカプリオ、ジャック・ホワイトとかみんな集まっていたんです。ジャック・ホワイトが今度自分のウェブに上げるんだ、って言いながらエルトン・ジョンとの共演した映像を見せて、そうしたら、ティップがyoutubeで見つけた昔の演奏を見せて、また盛り上がるみたいな。やばい絵面だなーって。これだけ面白いことを発信する人たちが集まったときに、どうやって関わるだろうって見ていました。みんな、出し惜しみしないで自分のコンテンツを与えるんですよね。そこがすごいな、と」
■面白いですね。アリ・シャヒード・モハメッドのクレジットがないのですが、レコーディングにもあまり参加しなかったのでしょうか?
ー「俺ね、彼には一回も会ったことないんですよ。ファイフは、亡くなる直前に2回会いましたが。スタジオでずっとラップを録っていたから話す機会はなくて、握手だけしました 」
■今回の作品はほとんどQティップの音ですよね。彼の頭の中で鳴っている音を、YUKIさんたちが実際に外に出して形にしたのかなぁ、と思ったのですが。
ー「まさに、まさにそうなんです。Qティップが、頭の中の音をミュージシャンに説明して、それをみんなで演奏していく作業です。あの人、マジですごくて、自分で ベース、ドラム、ピアノひと通り弾くんです。 言葉や、流暢でなくても楽器で伝えてくると、こっちはどういう音が鳴っているかわかって、それを具現化する。(出来上がった音楽は)9割が彼の頭の中で鳴っている音楽で、1割だけミュージシャンの領分ですね。彼は天才。こっちはおお、スゲェーって思いながら、彼の思う通りに90%仕上げていく。で、最後の10%、ちょっとした隙に自分で聴こえた音、感じた音をポロン、って入れるんです。それがハマったときのティップのテンションの上がり方がハンパなくて」
■ウワーッて、飛び上がるみたいな。
ー「本当に、スタジオの中で大騒ぎするんです。ジャロビも一緒に。そうなると、超うれしい(笑)」
■プロデューサーは自分が指示した通りにやってほしい人と、少し足してほしい人と両方のタイプがいそうですね。
ー「Qティップは足してほしいタイプですね。"メラトニン"の最後のアウトロは完全に俺の音だけど、すごく喜んでくれて、ライターとしてもクレジットしてくれたから、本当にフェアーな、すごい人だなぁって」
(池城美菜子)
■BIGYUKI公式サイト
http://www.universal-music.co.jp/bigyuki/news/2016/06/02_media/
■ア・トライブ・コールド・クエスト公式サイト
http://www.sonymusic.co.jp/artist/ATribeCalledQuest/
<BIGYUKI公演詳細>
場所:BLUE NOTE TOKYO
http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/bigyuki/
日程:11月.20日(日)
【1st】開場:16:00 開演:17:00
【2nd】開場:19:00 開演:20:00
<メンバー>
BIGYUKI(キーボード、ピアノ)
ランディ・ルニオン(ギター)
レニー・リース(ドラムス)
料金:¥6,500(税込)
NYを拠点に、ジャズとブラックミュージック・シーンを股に掛けて活躍!話題の日本人キーボード・プレイヤーが待望の初登場
アメリカのジャズ誌「JAZZ TIMES」の読者人気投票で、ハービー・ハンコックやチック・コリアに並んでベスト・キーボード・アーティストに選出。ロバート・グラスパーやベン・ウィリアムスからも賞賛を受ける世界基準のキーボード奏者、BIGYUKIがアルバム『グリーク・ファイアー』を携えて登場する。バークリー音大在学中から精力的に活動し、タリブ・クウェリ、ビラル、トライブ・コールド・クエストの中心人物Qティップらと共演。『グリーク・ファイアー』ではビラル、クリス・ターナーらの参加も話題を集めた。ジャズ界からもブラック・ミュージック・シーンからもリスペクトされるハイブリッド・アーティスト、BIGYUKI。その真髄を、ライヴで体感したい。