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【プロ野球】

栗山監督、“非常識野球”で正力賞 象徴は大谷「1番・投手」先頭弾

2016年11月18日 紙面から

正力松太郎賞の受賞が決まり、記者の質問に答える日本ハムの栗山監督=東京都内のホテルで

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 今年のプロ野球の発展に貢献した監督、選手らに贈られる「正力松太郎賞」の選考委員会(座長=王貞治ソフトバンク球団会長)が17日、東京都内で開かれ、日本ハムを10年ぶり3度目の日本一に導いた栗山英樹監督(55)が満場一致で選ばれた。日本ハムからは初の選出。王会長は「固定観念にとらわれず、選手の持てる力を引き出した手腕が素晴らしい」と説明した。選考委員は王会長のほか、杉下茂さん、中西太さん、山本浩二さん(以上野球解説者)と門田隆将さん(ノンフィクション作家)。

 うれしさより恐れ多さが先に立った。栗山監督は「本音を言うと重すぎる。できれば辞退したいぐらい」と恐縮しきり。プロ野球の父と呼ばれる正力松太郎は、栗山少年が夢中で読みふけった野球本の登場人物だった。その名を冠した賞に「まさか自分が…」と目を丸くした。

 喜んだのは受賞が周囲の評価につながること。「球団全員でいただいたと思っている。結果を出すことでファイターズのやり方を評価してもらった」と声を弾ませた。

 監督としての信念は揺るがない。「先入観にとらわれないで、やろうと思ったことをどんどんやるのが自分のスタイル」。象徴的なのが「二刀流」大谷翔平選手(22)の起用法だ。7月3日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)では「1番投手」で使い、投手として史上初の先頭打者アーチに8イニング零封と、期待以上の活躍がかえってきた。

 球界の常識を覆す柔軟な思考はユニークな経歴で育まれた。現役引退後は現場を離れてスポーツキャスターになり、「プロ野球がどうあるべきか考えた」。2012年から監督に就任すると、指導者歴の無さを懸念する声を「批判はバネだし、考えるきっかけ」と力に変えた。

 連覇を目指す来季も常識破りを貫く。「日本一になっても課題ばかり見えた。『こんなメンバーで』って驚くぐらい、チームを大きく動かすよ。まぁ、楽しみにしていて」。いたずらっ子のように目を輝かせて笑った。 (小林孝一郎)

 

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