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2016-11-18

すっかり『この世界の片隅で』日記となった本ブログですが、あの作品はこんな反応も巻き起こしております。
『この世界の片隅に』の太極旗は「その後の朝鮮進駐軍の暴挙」を表してる!……のか? - Togetterまとめ
ちょ、朝鮮進駐軍……(ブルブル震えながら後ずさりして背中から壁にぶつかりヘナヘナと尻餅をつく) pic.twitter.com/tD9tYuHlVT
— ワッシュ (@washburn1975) 2016年11月16日
「朝鮮進駐軍」というのは、終戦後の混乱期に朝鮮人の暴力団が(日本人の暴力団と同様に)暴力行為をはたらいていたことを誇張して、「戦勝国民を僭称して『朝鮮進駐軍』なる大規模な武装集団を組織し、多くの日本人を殺害・財産を略奪した」とするデマですが、今でも信じるネトウヨが少なくないようです。
で、『この世界の片隅に』終盤では、玉音放送の直後に、主人公のすずが、日の丸に青インクを書き足した急造の太極旗が掲げられているのを目にして、暴力の犠牲者である自分もまた、暴力で人を虐げる側に属していたのだと悟る場面があります。原作ではすずの台詞つきでしっかり語られるテーマですが、映画では旗を一コマちらりと映すだけで済ませているので、誤読する人もいるようです。映画『この世界の片隅に』は、人物の心情を台詞で過剰に語らせることはせず、多くの情報をさりげなく画面内に展開させているので、近年の「何でも台詞で語り尽くさないと気が済まない」ような映画に慣れた人からすると、理解が追いつかないところもあるでしょう。
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とはいえ、この誤読はさすがにすごすぎると思ったので、ついスクショ拡散という大人げない行為に及んでしまったのでありました。いくら何でも、8月15日その日のうちに「朝鮮進駐軍」などという組織が発足して暴れはじめたと思うのは短絡的すぎるだろ!
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