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ときめく 羽ばたき いしかわ動物園「里山館」で5羽公開

里山の景観を再現した「トキ里山館」のケージ内で止まり木に集まるトキ=17日午後、石川県能美市のいしかわ動物園で(木戸佑撮影)

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 十九日から一般公開されるいしかわ動物園(石川県能美市)のトキ五羽が十七日、報道機関向けに公開された。二〇一〇年の分散飼育開始から約七年。新たに整備された公開展示施設「トキ里山館」で、トキは朱鷺(とき)色と呼ばれるピンクの羽を羽ばたかせた。

 トキの一般公開は新潟県佐渡市の佐渡トキ保護センターに次ぐ国内二例目。公開に向け、園で飼育している十三羽のうち、一〇年から育てているペア一組と、今年生まれた雄二羽、雌一羽を九月からトキ里山館のケージに慣れさせてきた。

 トキ里山館のケージは広さ五百十平方メートル、高さ一三・五メートル。傾斜地を利用して棚田をつくり、トキが好む里山を再現した。周囲の観覧通路からガラス越しに観察できる。学習展示コーナーもあり、保護の歴史などが紹介されている。

 この日、五羽は寝床の止まり木や、草むらの中でほとんどじっと過ごしていたが、時折ケージ内を舞い、報道陣を沸かせた。

 園は佐渡トキ保護センターから六羽を受け入れ、これまで別のケージで五十羽を繁殖させ、うち四十三羽をセンターに返した。このケージは非公開で、監視モニターを通じてしか見られない。国が一四年に公開基準を定めたのを受け、石川県は一五年から十億二千万円をかけてトキ里山館を整備してきた。

 美馬秀夫園長は「トキの羽は秋が一番美しい。本物の魅力と、絶滅した歴史を知って」と話した。十九日は午前十一時半から一般公開する。 (吉野淳一)

 

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