国政介入:崔容疑者の娘、高3の出席17日=高卒取り消しへ

ソウル市教育庁が監査の中間発表「卒業取り消し可能」
梨花女子大生のチョン・ユラ氏、一転「中卒」に
出席していないのに「満点」

 ソウル市教育庁(教育委員会に相当)は16日、朴槿恵(パク・クンヘ)韓国大統領の親友で国政介入などの疑惑が持たれている崔順実(チェ・スンシル)容疑者(60)の娘、チョン・ユラ氏について、高校在学時に出欠の面で特別な計らいを受けていたとの結論を下し、チョン氏の高校卒業資格を取り消す方針を明らかにした。教育庁は16日にこの件の監査の中間結果を発表し、チョン氏が清潭高校に在学していた2012年3月-15年2月に同校が出席や成績の面で非正常的かつ広範囲な特恵を与えていたと説明した。

■「チョン・ユラ氏の卒業取り消しは可能」

 教育庁によると、チョン氏は高校3年当時、授業のあった193日のうちわずか17日しか出席していなかった。大会出場などの理由で141日が公欠扱いとなっていたが、これらの公欠は全て不適切な承認だったとみられるという。公欠扱いの根拠となるべき大韓乗馬協会の公的文書の内容が事実と異なっていたり、偽造されたりしていたにもかかわらず、学校側がこれを確認せず公欠として承認したわけだ。

 ソウル市教育庁は「公欠扱いの141日が全て欠席として処理されれば、出席日数が不足するため卒業取り消しは十分に可能だと考える」と説明した。高校卒業が取り消されれば、大学入学も自動的に取り消され、梨花女子大生のチョン氏の最終学歴は「中卒」となる。

 教育庁は、法務部(省に相当)から入手したチョン氏の出入国記録を調べた結果、学校側の記録で「出席」や「国内乗馬大会出場のため公欠」となっている日に実際には国外に出国していたケースがあったと説明した。無断欠席なのに出席扱いになっているケースも3年間で37日確認された。チョン氏が1、2年生のときに午前の授業を担当していた教諭は「授業時間に一度も姿を見たことのなかったチョン氏が授業中に現れたので、他の生徒に聞いたら『乗馬してから来た』とのことだった」と話した。教諭たちは、校長や体育部長からチョン氏の早退や欠席を認めるよう指示があったと口をそろえた。

■出席していないのに「満点」

 チョン氏は出欠だけでなく成績の面でも特別な計らいを受けていたことが教育庁の監査で分かった。チョン氏は2、3年生の各2学期に、体育の授業に一度も出席していないにもかかわらず、成績で高い点数が付いていた。さらに3年生の遂行評価(生徒自らの学習課程などに関する評価)では全校生徒の中でただ1人、満点を取っていた。

 チョン氏が「ソウル市の乗馬大会できゅう舎の掃除をした」として提出したボランティア活動報告についても、実際にはその期間に海外にいたことが分かった。教育庁は「不正な形で獲得した成績や賞については原則通り処理し、全て削除する」と説明した。

 教育庁はまた、チョン氏が不正な形で乗馬の韓国代表に選ばれたことも明かした。生徒の大会参加は年4回までに制限されているにもかかわらず、チョン氏は制限を超えて多数の大会に出場し、規定違反のままそれらの大会実績を基に国家代表に選ばれていたことになる。このほか、13年には清潭高校の体育部長が崔順実容疑者から現金30万ウォン(約2万8000円)の入った封筒を受け取っていたことも分かった。

 教育庁は監査が終了し次第、監査結果を検察に提出し、捜査を依頼する方針だ。イ・ミンジョン教育庁監査官は「チョン氏が在学していた当時の清潭高校校長をはじめ、関連した全ての人物が捜査対象」と話した。チョ・ヒヨン教育監(教育庁トップ)は「すでに客観的な根拠を十分に確保しており、チョン氏の卒業取り消しは1度どころか2度でも可能だ」と述べた。

パク・スンヒョク記者 , キム・ジヨン記者
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