母の2度目の自己血貯血に付き添ってきました。
使用するライナー(人工股関節のパーツ)も、正式にアクアラライナーに決定。
主治医によれば、ちょうど3年目になる(一般発売は昨秋から)アクアラライナーの治験結果は、きわめて良好とのことです。
変股症患者にとって有難いことに、人工股関節の進歩は目覚しく、種類もさまざまです。
母が手術を受ける病院では、65歳未満の患者には、「磨耗が少ない」という理由で、すでに実績のあるセラミック・オン・セラミックの人工股関節が使用されてきました。そして、昨秋からは、希望すればアクアラライナーも選べるようになりました。
一方、65歳以上の患者には、「脱臼しづらい」という理由で、骨頭部分が大きめのポリエチレン製の人工股関節が使用されてきました。
将来、認知症を発症した場合には、どうしても脱臼しやすくなりますし、脱臼を繰り返すと、再置換手術が必要となります。
母は67歳なので、ポリエチレン製の人工股関節を勧められました。
一昨年、発売が開始されたビタミンE添加のポリエチレン製ライナー(Eポリ)ならば、耐久性も十分とのことでした。
たしかに、脱臼しづらく、耐久性も十分ならば、Eポリが最高ですが、耐久性についてのみ比較すれば、アクアラライナーのほうが優れているのではないかと考え、こちらを選択しました。
治験は経たものの、Eポリは発売から1年半、アクアラライナーは半年しか経っていません。
主治医も、磨耗の問題はあくまで理論上のものとおっしゃっていました。人によって生活習慣も異なるので、実際に置換して、何年あるいは何十年も経たないと、結果はわからないのです。
そして、最も重要なことは、THA(人工股関節置換術。THRとも)は、ライナーの性能にのみ左右されるわけではないということです。
特定のライナーを希望しても、それが患者の股関節の形状や骨質に合わないこともありますし、執刀医の技量が拙ければ台無しです。
母の主治医は、技術的にも人間的にも信頼できます。
いくつもの病院をめぐりましたが、この医師に出会えてよかったです。