朴大統領による違法行為が明らかになれば、弾劾を求める声は間違いなく一層強まるはずだ。大統領の弾劾訴追は国会議員の過半数による発議に3分の2位以上の賛成が必要だ。現在、野党側の議席数は171あるため、与党から29人の議員が弾劾訴追に賛成すれば可能だが、今の与党の雰囲気はまさにそのような方向へと流れつつあるという。ただ弾劾訴追が行われた場合でも、憲法裁判所の最終決定が出るまで数カ月かかるため、野党は弾劾に対してやや消極的だ。しかし検察の捜査が終われば、与党内でも弾劾を求める声が高まる可能性が高い。ちなみに大統領が弾劾訴追されれば、大統領の全ての権限はストップし、首相がそれを代行するようになる。そのため弾劾訴追が行われた時点で誰が首相の座にあるべきかという問題も、今後の大きな争点になるだろう。また弾劾が決まれば、朴大統領が自ら退陣を表明するなど別の決断を下す可能性も排除できない。
退陣であれ弾劾であれ、挙国内閣の首相が今の状態で1年以上にわたり朴大統領の残りの任期を全うするのはおそらく不可能だろう。このような見方は今や与野党に関係なく形成されつつある。ただでさえ米国でトランプ政権が発足することにより、今後は軍事面、安全保障面、経済面などあらゆる分野で不確実性が高まるはずだ。企業経営者の多くは韓国経済が想像以上に深刻な状態にあるとの懸念をもはや隠そうともしない。大統領と与野党、市民の誰もが一度冷静に大韓民国の現状を振り返り、この危機的状況をできるだけ短期間に、なおかつ知恵を持って乗り越えていかねばならない。