[PR]

 和歌山市の土木建設会社で今夏、従業員4人が死傷した拳銃発砲事件で、重傷を負った40代男性が17日、朝日新聞の取材に応じた。容疑者は同社近くで立てこもった末に自分の腹を撃って死亡。男性は事件の様子を語り、「死んだ人間に何を言っても響かない」とやり場のない思いを訴えた。

 8月29日午前7時20分ごろ。男性が会社へ向かうと、経営者の次男で元専務の溝畑泰秀容疑者(45)が事務所前にいた。男性の姿を見て、隣接する自宅の方へ歩いていったが、しばらくして戻ってきた。「防犯カメラは動いているのか」「電源を落としてくれ」と話したため、男性は電源プラグを抜いた。その後、奥の応接室の中でごそごそと動いている気配がした。

 午前8時ごろ、「ちょっと入ってくれるか」と事務所にいた男性ら従業員4人が、応接室に呼ばれた。溝畑容疑者が机のある奥のイスに座り、4人に対して、近くに座るよう促した。

 溝畑容疑者は昨秋、覚醒剤を使った容疑で逮捕され、久しぶりに姿を見せた。不在の間の工事の受注状況や、以前と違う下請け会社を使っている理由を質問。経営が悪化したのでは、と時折不満げに話し、30分ほど経った頃だった。

 「俺の目は節穴やったんやな。お前らのことを見抜けなかった」。突然言い放ち、立ち上がった。両手に拳銃を持ち、至近距離で手前から順に撃った。すさまじい銃声、ばたばたと倒れる従業員。男性も腕やわき腹を数発撃たれ、1発は体を貫通した。溝畑容疑者は事務所内をうろうろ歩き回り、パトカーのサイレンが聞こえて来たころ、外へ出て行ったという。

 男性ら従業員3人は当時治療中…

有料記事こちらは有料記事です。無料登録すると1日1本記事をお読みいただけます。

有料記事こちらは有料記事です。無料登録すると1日1本記事をお読みいただけます。

有料記事こちらは有料記事です。無料登録すると1日1本記事をお読みいただけます。

有料記事こちらは有料記事です。無料登録すると1日1本記事をお読みいただけます。

有料会員に登録すると全ての記事が読み放題です。

初月無料につき月初のお申し込みがお得

980円で月300本まで読めるシンプルコースはこちら