ドワンゴ川上量生氏の哲学「馬鹿なことにお金を使うのは正しい」
ニコニコ動画の生みの親であり実業家でもある川上氏ですが、スタジオジブリでプロデューサーの見習い修行をするなど、変わった経歴の持ち主です。今回は、過去の講演のなかから川上氏の独自の哲学が垣間見える発言をまとめました。
- スピーカー
- カドカワ株式会社 代表取締役社長 川上量生 氏
“ニコ動”のメディアとしての姿勢
「ヤフーはメディアか」という質問に対する回答に、川上氏のメディア論が垣間見えます。
メディアはメディアだと思うんです。じゃあ、ヤフーがメディアじゃないと言う人が、どういうものがメディアだと思っているのか。
僕が思った答えは、よく新聞とか、報道をやっている方に、ニコ動って色々批判されることが多いんです。複数の方から言われたことがあって、それは、「何でそのまま報道するんだ」と言われたんですね。
「政治家の発言をそのまま報道したしたら、政治家はいいことを言うに決まっているから、みんな騙されてしまうだろう」と。だから、ちゃんと騙されないように報道しなければだめだと。これは複数の人から言われたんですよね。
要するに、メディアという人は、報道とは彼らが正しいと思う姿に編集して届けるのが役割だと思っている人達が多分一定数いるというのが、何か主流なんじゃないかと僕らも感じていまして。それがメディアの責任だと言うとしたら、僕らはどうすればいいのか色々思ったんですが、多分それが必要だった時期は、昔はあったのでしょう。この戦後、日本が成長する過程で。
でも、今その機能はあまり日本のためによくないなと思ったんですよね。だからそれよりは、もうそのままの方が多分今の日本にとって必要だから、僕はそういうことは無視してやろうと思っています。僕らだけではなく、ヤフーさんもはじめとしたネット企業は、あまり何も考えずに、極端な話“ページビュー”さえあればいいやぐらいな感じで報道しているわけですよね。それはそれで、もういいんじゃないかなと思っているんですよね。
これは少なくとも今のメディアのあり方に一石を投じているし、それが良いか悪いかといったら、よくわからない部分もある。けれども、少なくとも今の編集が前提になっているメディアのやり方が本当に正しいかどうかということに関しては、一石は投じていると思うんですよね。
引用元 編集ありきのメディアは正しいのか 記者会見をノーカットで流すニコニコ動画の役割
馬鹿なことにお金を使うのは正しい
お金についての考え方。馬鹿なことにお金を使うことこそが正しいと説いています。
そもそもお金なんてバーチャルなもんだし、そもそも馬鹿らしいですよね、というのが現れるとそういう現象になると思うんですけれども。
僕は、そういう馬鹿なことにお金を使うというのはすごい正しいと思っていて。馬鹿なことにお金を使わない人間というのは実際何だろうといったら、飯代と衣食住しか使わない人間。そういう人間が皆さんの理想像なのかという話ですよね。
そうしたら、その他の趣味にお金を使うというのはどう説明をするのかといったら、それは原価まで使おうといったらそれは本質的な問題なのかという。本当は原価とか関係なくて、そのものが自分にとってどれだけ大切かということで、お金の値段って決まるはずなんですよ。原価関係ないはずなんですよね。
(中略)
みんな何万円もする服とかにお金を払ったりしますよね。1万円とか2万円とかあれば、もはや一世代古くなったiPhoneとか買えるし、ゲーム機とかも2~3万円で買えますよね。
それの精巧さってすごいじゃないですか。でも、みんな服とかの方にお金をかけたりするわけでしょ。それってバカですよね。本当に。馬鹿なんですよ。 どう考えてもその人間が作ることの難しさということを考えたら世の中の人間は、服とかユニクロでいいんですよ。みんなDSとかゲーム機とかを買い続けていればいいんですよ。そっちのほうがはるかに価値が高いものなんですよね。
でも実際にはそういう行動をみんなしていないじゃないですか。だからそもそも価値なんてその程度のもので。もっと馬鹿なことにお金を使うというところのね。
引用元 「衣食住しかお金を使わない人はバカ」 川上量生氏が語る、正しいお金の使い方
それの精巧さってすごいじゃないですか。でも、みんな服とかの方にお金をかけたりするわけでしょ。それってバカですよね。本当に。馬鹿なんですよ。 どう考えてもその人間が作ることの難しさということを考えたら世の中の人間は、服とかユニクロでいいんですよ。みんなDSとかゲーム機とかを買い続けていればいいんですよ。そっちのほうがはるかに価値が高いものなんですよね。
でも実際にはそういう行動をみんなしていないじゃないですか。だからそもそも価値なんてその程度のもので。もっと馬鹿なことにお金を使うというところのね。
そんなに目的はない
そんな川上氏の一番の目標は……。
僕はそんなに目的はないんですよ。人間の生きる目的とか、ビジネス書とかでは前提としてビジネスで成功してお金を儲けることだったり、世の中を変えて、社会貢献をするということを目標にしているということを書かれている人は多いのですけれども。
僕はそこら辺に関しては非常に冷めていて、思い込みができないんですよね。思い込みができなくて、自分にとって本当にやりたいことは何だろうと考えてしまうのですよ。そうしたらまず、もっと寝たいとかね、何か大体寝たいんですよね。
僕の1番の欲望は「寝たい」じゃないですけれども、だらだらしたいが目標で、けして仕事をしたいということにはならないのですよ。でも僕は、本当はみんなそうじゃないかと思うんですよ。
引用元 「やる気があるわけじゃない。真剣に流されてるだけ」 ドワンゴ・川上量生氏の人生哲学
N高等学校の開校など、新しいことにチャレンジし続ける川上氏。その根底には、しっかりとした独自の哲学があるようです。