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 松江市議会の自民系最大会派・松政(しょうせい)クラブの市議3人が昨年11月、政務活動費を使って東日本大震災の被災地を視察した際の報告書の全文が同じだったことがわかった。他にも5人の内容が類似しており、森脇勇人(はやと)・松政クラブ幹事長によると、会派のパソコン内の報告書の文案を使うことが慣例化していたという。

 同会派の11人は昨年11月18~20日、福島県であった全国市議会議長会のフォーラムに参加し被災地を視察。議長に報告書を提出し、1人約12万円の政活費の支出が認められた。

 報告書によると、3人は「国全体として被災地を支えなければならないと強く感じた」「その悲惨さを深く感じさせた」などの文章や写真、構成が全て同じだった。他の5人も内容がほぼ同じで、同じ流れの文章で「津波で流された家々は跡形もなく」「地区には生活を伝える痕跡はなく」と一部の表現が異なったり、写真のレイアウトが違ったりしていた。

 全文が同じだった市議の一人は取材に「会派の世話焼きが案を作ってくれたので、つい怠けた」と話した。別の一人は「何が問題なのかわからない。現地で見て聞くことが重要。個々に書けというなら書く」と述べた。森脇幹事長は「視察の概要は同じでも所感をそれぞれ加えるよう伝えたが、徹底されなかった。きちんと個々が書くようにしたい」と話した。(奥平真也)