地裁鶴岡支部で監禁などの被告 県警酒田署が逮捕
監禁や強姦(ごうかん)などの罪に問われた男が、山形地裁鶴岡支部(山形県鶴岡市)での自身の公判中、証人尋問を受けていた被害者の女性に襲いかかりけがをさせる事件があり、県警酒田署は17日、被告の男を傷害容疑で逮捕した。
逮捕されたのは、住居不定の無職、石川志信容疑者(40)。逮捕容疑は11日午後4時15分ごろ、同支部の法廷で40代女性の首から下あご付近を右腕で絞めつけ、左手で前髪をわしづかみにするなどして、約2週間のけがをさせたとしている。
同署などによると、被告や傍聴席から見えないように、女性の背後と左右の3方向には高さ1.8メートルのついたてが立てられていた。被告は手錠や腰ひもを外された状態で両脇には刑務官が座っていたが、女性が尋問に答えていた際に突然叫び声を上げて、ついたての脇から女性に向かっていったという。すぐに刑務官と同署員に取り押さえられた。
山形刑務所の調査に刑務官は「被告が急に立ち上がり、止めようとしたが間に合わなかった」と話している。山形地裁の林正彦所長は「法廷内で証人が被告から加害行為を受けたことは大変遺憾。このような事案が再び起こることがないように適切に対応したい」とのコメントを出した。
起訴状などによると、石川被告は今年5月、女性を脅して乗用車の車内に監禁し、酒田市から富山県高岡市まで連れ回し、暴行するなどしたとしている。【松尾知典、藤井達也】