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100000000円を失った!
とある街の地上からさらに深い地下で、このコロシアムは繰り広げられる。会場は客の熱気と声援で溢れ返っている。
「よっしゃー!!ぶち殺せぇ!」
「頼む頼む頼む頼む...。」
「負けたら容赦しねぇぞ!」
ここでは格闘技が行われている。しかし、タダの格闘技では無い。
「相手がこんなに大っきいなんて聞いてないわよ!頑張ってエルちゃん!」
「いつも道理やれ。ケッキング。」
ケッキングの迫力ある雄叫びが、会場を更に湧かす。
ここはポケモン裏コロシアム。表に出ない犯罪組織と大富豪達の遊びの場。世間から道を外した物達の人生をかけた場所なのだ。
「アイツ初めて見たな。まぁ見たところルーキーって感じだな。」
「で?どっちに賭けたんだよ?」
「そりゃもちろんあのケッキングの方だよ。」
「ふぅん。お、そろそろ始まるぞ。」
「Ladies and gentlemen!ルールはいつも道理だ!道具の使用は一切禁止。戦闘不能になれば試合終了。勝った方に賞金一億!負けた方に罰金一億!」
「もちろん命の保証も無いぜ!?用意はいいかぁ!?」
トレーナー達は少し頷いた。
「ただ者じゃないな。見物だよ。」
客は呟いた。
「え?」
「Ready Go!」
支配人の合図と同時にケッキングの口の中には光が一点に集まる。
「破壊しろ!」
男が叫ぶ。
「エルちゃん!!!」
少女の一声が遅れたのか。ケッキングの口から放たれた赤色のおぞましい光線が、エルフーンを一瞬で包み込んだ。
「Oh,mygod!もう終わりかい?つまらないねぇ。」
支配人が、試合終了のゴングを鳴らそうとすると...。
「それはどうかしら?」
「人形だ!」
客が騒ぎ立てる。
「人形!?変わり身か!エルフーンは!?」
今度は少女が命令を送る。
「今度はこっちから!エルちゃん!しびれ粉!」
すると巨体のケッキングの懐からエルフーンが現れる。
「なっ!いつの間にっ...!」
「why!!!ケッキングは体が痺れて動けないー!逆転劇が始まるぞぉ!」
「ヤドリギの種よ!」
ヤドリギの種はケッキングの体は緑に染め上げる。
「クソっ!全部引きちぎれ!」
しかしケッキングは特性の(なまけ)のせいで横たわっているだけだった。
「おまけに状態異常なんて...。最悪だ...。」
「じわじわ痛めつけて上げる♡」
少女は満面の笑顔を浮かべている。
「おい...。死にたくなければ立て、ケッキング。」
男の眼つきが一変する。
ケッキングは怯えるように立ち上がるように見えた。
「ケッキングがかわいそう。降参すればいいのに。」
「なんだと?」
「あーこわいこわい。そんな睨まないでよ。」
ーーーーーーーー
「命令だ。」
ケッキングの雄叫びで空気が変わるのを感じた。
「ケッキング!殴り殺せ!」
ケッキングの拳は赤く燃え上がる、
エルフーンは瞬時に綿で体を覆った。
「エルフーン耐えるのよ!」
ケッキングの一撃がエルフーンを吹き飛ばし、壁にめり込んだ。会場が息を飲んだ。
それでもエルフーンは元気に立ち上がり、ぴょんぴょんと飛び跳ねて遊んでいる。
「ケッキング...。」
「ヤドリギの種のせいよ。
あなたのケッキングから体力を奪い取って...、」
「ギガインパクトォォォオオオ!!!」
「ちょと!話は最後まで聞きなさいよ!」
ケッキングは高く飛び上がり、全身を地面に叩きつけた。
その下にエルフーンは居た。
「決まったか!」
しかし何事も無かったように、エルフーンはケッキングの下から抜け出した。
そのままケッキングはピクリとも動かなくなった。
「そんな...。」
そして試合終了のゴングが鳴り響き、客は全員が、泣き叫んでいた。
男も泣き崩れている。
「ここでノーマ様は敗退となります!いやー、惜しかったですねー。」
ノーマの周りに黒服の見るからに怪しい奴らが集まる。
「来い。」
「やめろ!離せっ!金なんか持ってねぇ!クソがぁあ!!」
暴れるノーマに、さっきの少女が駆け寄って来た。
「糞ガキぃ!テメェのせいで...、俺の人生はめちゃくちゃだ!」
「私!あなたを救済します!」
「は?」
この言葉に黒服の男達は口を揃えた。
「「「馬鹿かコイツ?」」」
涙が止まらないノーマだった。
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