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傷の治し方

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[傷の治し方](4)形成外科で痕残さずに

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 傷痕はできるだけ残したくない。切り傷などで傷口を縫い合わせた方がいい場合について、東北大学病院形成外科教授の たち 正弘さんは「傷を治す専門家である形成外科を受診してもらった方がうまく縫えて、よりきれいに治せる」と話す。

[傷の治し方](4)形成外科で痕残さずに

 傷に砂などの異物が入ったままだと、治っても黒い汚れが皮膚内に残ってしまうことがある。「外傷性 刺青いれずみ 」と呼ばれるもので、レーザーを使って治療できる。

 一方、治ったと思ったはずの傷が1~2か月たってから、ミミズ腫れのように赤く盛り上がり、傷痕になることがある。「 肥厚性瘢痕ひこうせいはんこん 」や「ケロイド」と呼ばれるものだ。肥厚性瘢痕は自然と良くなるが、ケロイドは、傷を修復する材料である 膠原こうげん 線維(コラーゲン)が傷の範囲を超えて広がり、自然に治ることはほとんどない。

 詳しい原因は分かっていないが、個人の体質が関係しているとされる。ニキビの痕やBCGの接種後に赤く盛り上がった経験があったら注意が必要だ。

 肩などよく動かす場所にできやすい。かゆみや痛みを伴うことが多く、かいて悪化させてしまうこともある。再発をしやすいので適切に処置したい。治療には、抗アレルギー薬の服用のほか、ステロイドの貼り薬や塗り薬、注射、テープで圧迫させる方法、手術などがある。

 日本医科大学武蔵小杉病院形成外科講師の土佐眞美子さんは「ケロイドなどの傷痕の異常は治療できる。仕方ないと諦めず、医師に相談してほしい」と呼びかけている。(西原和紀)

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