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地元負担は広域連合で 北陸新幹線、知事「理解求める」

 北陸新幹線の敦賀以西の未着工区間(福井県・敦賀−新大阪)を巡り、三日月大造知事は十六日、地元負担額を関西の自治体で分かち合うことや、並行在来線の経営分離は認められないとの認識を示した。これに対し、一部の県議からルート選定への影響を懸念する声が上がった。

 同日、県庁であった三日月知事ら県幹部と自民党県議団の政策協議会で示された。

 県は未着工区間について県内を通る「米原ルート」の採用を求めている。県交通戦略課によると、現行の新幹線の整備方式では、総事業費の三分の一が通過する地元の負担となる。県は関西広域連合を構成する自治体での分担を求めているが、その場合、関連法令の改正が必要となる。

 協議会では、県議側から「米原ルートの採択に加え、地元負担のルール変更まで求めると、ハードルが高くなるのではないか」などと意見が出た。

 三日月知事は「ハードルは高いが理解を求めていきたい。国としても高速鉄道の整備は新たな局面に入る。これまで通りのルールで整備が進むとは限らない」と述べた。並行在来線の経営分離を認めない方針にも「前例がないわけではない」と指摘した。

 (角雄記)

◆費用対効果で早期着工促す 都内で有識者

 北陸新幹線の未着工区間のルート選定に向けた議論を進める与党の検討委員会は十六日、東京都内で会合を開き、有識者の意見を聞いた。国土交通省が公表したルート三案の試算について、交通政策に詳しい中川大・京都大大学院教授は「開業までに時間がかかるほど費用対効果が小さくなる」と指摘し、早期着工を目指すべきだとの考えを示した。

 試算では十五年後の二〇三一年着工を想定し、米原案で二十五年後、小浜−京都、舞鶴の二案で三十年後の完成を見込む。中川教授は「リニア中央新幹線の大阪開業よりもずっと遅い前提で計算されている。多くの人に期待されている政策といえるのか」と述べた。

 鉄道予算を重視する欧米各国と比べて、日本の新幹線整備は「予算が小さくて非常に遅れている」とも述べ、「新幹線は優良な公共事業だと国民にも理解され始めているにもかかわらず、これまでと同じ発想でいいのか」と整備のあり方の見直しも提言した。会合は非公開。終了後に委員長の西田昌司参院議員や中川教授が取材に応じた。

 (中平雄大)

 

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