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トップ > シゴタノ! > 「先送りせずにすぐやる人に変わる方法」に至るまでの道のり





佐々木正悟 この本は、自分が学生時代にたまたま目にした『グズの人にはわけがある』の原著に触発されて書いたものです。

» 先送りせずにすぐやる人に変わる方法<先送りせずにすぐやる人に変わる方法> (中経の文庫)[Kindle版]


原著というのは “It’s about time” で、そこにあった procrastination という長々しい英単語に目が行きました。早い話、意味がわからなかったわけですが、その意味を知ったとき「これだ!」と思いました。「これこそが自分をずっと縛り付けている実生活上の病である」と。

» It’s About Time!: The Six Styles of Procrastination and How to Overcome Them


大学の英語学科に通っていながら、このレベルの洋書でも「すんげえしんどい」と思いながら断片的に読んだきりです。が、間違いなく惹きつけられました。

「6つのスタイル」というのもよかったのでした。なぜなら、「自分のスタイル」のところだけ読めばよかったからです。

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「見たい夢」のための米国留学

当時の私は、いまから見ると違和感があるかもしれませんが「夢想家タイプ」でした。

「でも、あんな面倒なことをするのはイヤだ!」と、本の中で指摘されているとおりのセリフを、しょっちゅう心の中でつぶやいていたものです。

そして「夢想家グズ人間は、自分の空想の中で生きているので、積極的ではなくむしろ消極的である」という指摘は、当時もいまも正しい。

現に私は「自分の見たい夢を見られるように睡眠をコントロールし、起きて食事やデートに使うエネルギーを節約することで、ほとんど稼がずに最高の幸せの眠りの中で永眠にいたる」人生を送る方法を探すために、米国留学したのです。

いわゆる「明晰夢」を見るというわけですが、その探索の旅は、完全に失敗に終わりました。端的に言えば、見たい夢を見られるようにはならなかったのです。

いまでも七割以上は微妙な悪夢で、残る三割の夢はよく覚えていません。しかし留学中、とてもではないが「夢想家グズ人間」では対応できない米国留学を、何とか対応できるレベルには変化しました。

その間も『グズの人にはわけがある』にはお世話になりっぱなしでしたが、心理学で教えられた知識と、自分の経験値を合わせて、何とか「自分にも役立つグズ対策」をまとめることができたわけです。

現実から報酬を得る

私のような「夢想家グズ人間」にとって、現実の困難に向かうことは、非常に不合理な話であって、だからこそ大したことのないことがらですら苦痛が大きいのです。だって「最高の夢」に比べれば現実の報酬は小さいか、ほとんどなかったりするからです。

しかし、ひたすら眠って夢を見る、という人生の探求に失敗してしまった以上、現実相手にコンコンやるしかなくなってしまったのです。一見最悪だな、と消極的に感じたものです。

一見「最悪」なのは、「夢」と現実を比較するからです。やりようによっては、現実からも、成果や報酬を引き出すことができるというのは、当時の自分にもわかっていました。

問題はそれが、「夢」に比べるとあまりにショボイものになること。

なぜなら、「夢」は自分の好き勝手に内容を設定できるからです。それゆえに信じられなくもあり、だからそれを信じられるように「睡眠中」に見たいと思ったのですが。

私の中の「グズ」を斥(しりぞ)け、現実から報酬を引き出すためにやったことはだから、まずいちいち現実を夢と比較して落胆しないということでした。

これが自分の本の考え方の根幹をなしています。

  • 未来の自分に期待しない
  • 快楽を捨てる
  • 大きすぎる夢を抱かない
  • 夢を紙に書いて満足しない
  • やりたいことを増やさない

これらはすべて、私自身が「夢に逃げて動かなくなってしまう」のを予防するための措置でした。このようにすることでまず、少なくとも「夢に逃げて1ミリも動かない」病気を癒やすことができます。

それでは「夢がない」ためにますます動けなくなってしまうし、仮に少しばかり動けても、現実が味気なさ過ぎてすぐに心が折れてしまうのではないか、と思われるでしょう。私も思いました。

しかし、即座にこうも思いました。

そもそも、少なくとも自分に関しては「夢を描く」ことによって現実には少しも動こうとしなかったのだから、夢があって動かなくても、夢がなくて動かなくても、現実の問題としては何の違いもありはしない。ある意味では「夢見て」しくじった人間なのだから、「夢見ない道」を模索する方が多少でも意義がありそうだ。

夢見る代わりに

夢を見ない代わりに、現実の私を動かすには、現実の報酬が、ささやかであれ実感できるほどには必要でした。

また、夢見ることで米国留学という大きな行動を取ることができるとはいえ、その成果はほぼ得られず、そのうえ夢見ずに、そんなに負担のかかる行動はとれないでしょう。

つまりここで必要なのがライフハックなのです。負担の小さい行動で、ささやかでも確実に現実から報酬を引き出す。しかも何度も何度もそうできることが必要だ。

  • 朝イチでやる
  • 分解する
  • リスクを減らす
  • 「そもそも」を考える
  • 「スタンバイ状態」をつくる
  • タイマーをセットする
  • フィードバックをもらう

これらがそうです。

夢見る代わりに現実から、すばやく繰り返し確実に報酬を受け取るには、こういうことを苦しまずにやるほかはない。こちらもまた私自身が「夢に逃げて動かなくなってしまう」のを予防するための措置に他ならないわけです。

幸いにも本書は多くの人に読んでいただきました。ここまで極端ではないにせよ、私のような人間は、決して少なくもないのでしょう。

いまでは単に夢想家グズ人間だけではなく、他のいろんな要因から「先送りを繰り返して、現実からなんにも得られないループ」にはまっている人がいることを実感するようになりました。

そういう方面に分け入って本を書くなどしていきたい。あるいは、他の人の本を紹介していきたいと思っています。

» 先送りせずにすぐやる人に変わる方法<先送りせずにすぐやる人に変わる方法> (中経の文庫)[Kindle版]


» 先送りせずにすぐやる人に変わる方法 (中経の文庫 さ 17-1)


» It’s About Time!: The Six Styles of Procrastination and How to Overcome Them


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12月03日(土) クローズ・リストを極めるための2冊

タスクカフェ
今回のテーマは、

-クローズ・リストを極めるための2冊

ということで、以下の2冊に迫ります。


『なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?』
『仕事に追われない仕事術 マニャーナの法則 完全版』


この2冊の共通点は、「クローズ・リスト」です。
クローズ・リストとは一日に取り組む仕事の量を一定の基準で制限し、それ以上の追加を許さないという文字通り「閉じたリスト」を指します。

言い換えれば、抱える仕事量を自分の処理能力の範囲内に収めることで、仕事を確実に終わらせるための方法ということになります。

クローズ・リストを身につけ、そして極めることができれば、「仕事に追われるモード」から脱却し、「仕事を追いかけるモード」に形勢を逆転することができます。

この形勢逆転を実現するための考え方とやり方を、今回の2冊の中から抽出したうえで解説します。

また、今回の2冊のうち1冊『なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?』は佐々木が執筆・大橋が監修を務めており、内容については誰よりも詳しくかつ分かりやすくお伝えすることができます。

さらに、もう1冊の『仕事に追われない仕事術 マニャーナの法則 完全版』の内容についても、佐々木と大橋が8年以上にわたって折に触れてブログやセミナーの中で言及してきており、もはや専門分野といってもいいレベルです。

そんな佐々木と大橋がこの2冊の本の読み方と役立て方をお伝えします。


この2冊をまだお読みでない方はもちろん、すでに読んでみたものの、なかなか実践に移せていない、という方はぜひご参加ください。
※ご参加に際して、課題図書のどちらか1冊を当日ご持参ください(KindleでもOK)。

好評いただいている個別相談の時間もご用意していますので、知識としては理解できているとは思うものの、なかなか実践に結びつけられず苦戦している、という方は、ぜひこの機会にブースターとしてご活用ください。


本日時点で、残り5席ですので、ご検討中の方はお早めに。

» 仕事を予定どおりに終わらせたい人のための「タスクカフェ」@渋谷

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