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大学院教授、3年前から無断で共同研究

 大阪大大学院教授の倉本洋容疑者(57)が逮捕された汚職事件で、倉本容疑者が3年前から大学側に無断で贈賄側の建設会社2社と共同研究をしていることが16日、捜査関係者への取材で分かった。2011~12年度は大学側と2社が正式に耐震技術の共同研究契約を締結。共同研究は企業側が研究経費を大学側に支払う仕組みだ。大阪府警捜査2課は、倉本容疑者が無契約にすることを自ら業者に持ちかけて利益を得ようとしていたとみている。

     事件では、東亜建設工業(本社・東京都)社員の樋渡(ひわたし)健(43)と飛島建設(本社・同)社員の久保田雅春(57)の両容疑者が贈賄容疑で逮捕された。倉本容疑者は収賄容疑を認めている。

     捜査関係者によると、倉本容疑者は少なくとも11年度から両社と鉄筋コンクリートの柱や梁(はり)などの耐震技術の共同研究を始めた。倉本容疑者は11~12年度、両社との共同研究申込書を大学側に提出し、大学側と両社が共同研究契約を正式に結んだ。

     契約を結べば、両社の研究員が大学側の大規模な施設を利用できたり、研究成果を共有したりすることができるが、研究を手伝う学生の人件費や実験などの必要経費は両社が負担することになる。

     だが、倉本容疑者は13~16年度については申込書を提出せず、大学側に無断で共同研究を続けており、こうした費用計210万円は倉本容疑者が管理する口座に振り込まれていた。両社は「技術指導料」として社内稟議(りんぎ)を経て支出しているが、倉本容疑者はゴルフや先物取引に使ったとみられている。

     大阪大工学部3年の女子学生(22)は「(倉本容疑者は)鉄筋コンクリート構造学の権威で一目置かれていた先生だった。学生を使って私腹を肥やすなんて許せない。(倉本容疑者の)研究室に入ることも考えていたのでショックだ」と答えた。【池田知広、戸上文恵、道下寛子】

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